※※第256話:Make Love(&Stealth).153
ふたりは無事に処理も済ませて、遅めとなってしまったが劇の稽古に参加をした。
皆さんは脳内をR指定で何とかしておきたかったので、実際にR指定だったわけなのですが何も聞かずにおいた。
聞けるはずもなかったし。
ちなみに、ナナは中から掻き出されながら拭かれたりしているあいだにも何度か軽くイけちゃいました。
そのあと劇の稽古は、滞りなく進んでいった。
焦らされているナナはうずうずして、彼の感覚もまだ残っておりじわじわとソコを濡らしてしまっていた。
帰ってからもおそらく、激しいやつであんあん言わされちゃったのでしょう。
――――――――…
「……結局、帰って来ることになっちまったか。」
如月と電話でやりとりをしたあと、急遽パリを出発し、薔の家族の命日の朝には夕月は日本に到着していた。
少ない荷物を手に、如月の迎えも寄越していない夕月は颯爽と空港の到着ロビーを歩いてゆく。
ひとまず、薔の家族に――特に両親と夕月はとても密接な関係にあったようだが、命日に花を手向けることができて良かったと思うことにしていた。
自分は何よりも重大な責任を放ってここまできてしまったような気も、夕月にはしている、薔と親子“のような”関係でい続けることは自分なりの贖罪に値した。
そして、気になるのは如月に告白をしてきた女性の存在についてだ。
如月は夕月にとある理由で助けられ、仕えるようになってからは色恋沙汰とは無縁でいる。
しかしながらそれは夕月が如月に望んだことではない、如月が夕月に一生を捧げるためにと設けた独り善がりの忠誠だ。
もしも如月に素敵な恋人ができて、幸せになれるのなら、それは夕月にとっても願ったり叶ったりの話だった。
「…――――想いっつうもんは、この空間をいくらでもすれ違いながら彷徨ってんだろうな……」
タクシー乗り場へと向かう夕月は、どこか物憂げに笑っていた。
それは他人事ではない、自分にだっていくらでも当てはまる。
ただ、想いを伝えたい人たちが亡くなってしまった場合、その想いは彷徨い続けるしかないのか。
それとも、共に安らかに眠りに就けるのだろうか。
人それぞれの話だ、一概にくくれてしまえたらどんなに楽になるだろう、どれほど味気なくなろうとも。
想いはいくらでも、常にすれ違い、彷徨い続けている。
それでも、
「だからこそ、時として繋がりあうと……嬉しくて泣き出したくて堪らなくなるんだよ。」
夕月は、静かに言葉にした。
日帰りというわけにはいかない帰国で、彼にはやらなければならないことがたくさんあった。
…――Do feelings connect?
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