※※第252話:Make Love(in Pool).151







 漂う水着はひどく遠いところに浮かんでいる。

 「焦らしたぶんもくれてやりてぇとこだが、ここじゃそうもいかねぇんだよな…」
 プールには利用時間の限度があることをきちんと覚えていた薔は、動きをますます速く激しくした。
 時間が限られているというのも燃えるもので、プールだけで終わらせるつもりはふたりともさらさらない。

 「あっあっあっあああああっああっ…っ、あああ…ああっっ、」
 時間の感覚など麻痺していたナナは水上で、痙攣したように脚をふるわせて、

 「まだ飛ぶなよ?おまえはこの後ベッドでも、俺に可愛がられんだぞ?」

 耳にくちびるを滑らせた薔は淫靡な念を押した。




 「あ…っ!?あああ…っ、」
 言葉でも突き上げられたようで、ナナは夢中で彼の肌にすり寄った。
 プールだけではなく、この後はホテルの寝室でベッドが待っていることを官能的に思い出す。

 「ああ――――――…っ!」
 止め処なく昂り、ナナは絶頂を得た。
 跳ねた水滴が柔肌を濡らして伝い落ちる。
 「……っ!」
 彼女を強く抱き寄せて、薔は子宮目掛けても射精をした。
 口内よりもさらに、熱く脈打ちたっぷりと出されてしまう。

 「はあっ…あっ、あ…っ、」
 かろうじて意識を保っていたナナは、水面下ではまだ彼と繋がったまま、

 「んっ…んんっ、っん…っ、」

 ゆらゆらと水面を揺らして、舌を絡めるキスを交わした。
 波紋と同じようにリップ音が広がってゆく。
 ベッドへと誘う意味合いがこもったような、濃くて激しいキスだった。

















 ――――――――…

 「あっあっあっ…あんっ、あ…っ、ああっあっあん…っ、」
 逸る気持ちのなかシャワーを浴びて、部屋に戻れば休む間もなくベッドで交わった。
 大きなダブルベッドがギシギシと軋んで、薄明かりのなかナナは乳房をゆさゆさとふるわせていた。

 ふたりして一糸纏わぬ姿となって重なりあい、冷めることを知らない熱を貪る。


 「感じても咄嗟に顔逸らすな、こっち向いてろ…」
 ベッドでも激しく突きながら、グイと顎を掴んだ薔は強引に自分のほうへと真っ直ぐに向けさせて、

 「イくとこ見ててやるから、……イけよ、ほら……」

 くちびるにくちびるを寄せると妖冶に囁いた。
 今にも触れあいそうなくちびるの熱が、くちびるをなぞって触発する。


 「あああっっんっ!」
 ナナは彼に見つめられながら絶頂を得た。
 言われた通りにできてしまう、快感は否応なしに見透かされている。
 ピストンは止まらず、彼女は潮まで吹いてシーツをぐしょぐしょに湿らせた。


 「……可愛いよ、もっと見せて?」
 薔は顎を掴んだまま、深くへと過激に腰を振る。
 「ああっあっはっ…っ、あっあああんっっ、」
 喘ぐナナのくちびるを、親指が撫でてゆく。
 彼の要求を、ナナはすぐにまた聞き入れられそうだった。
 戦慄いて、イキそうになっている。


 ホテルの最上階で、星が瞬く夜空は情事を彩り、ベッドは一晩中軋みつづけた。

















  …――By the way a schedule on Sunday?

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