※※第247話:Make Love(&Lascivious).147







 廊下に散った下着たちは、湿り気を帯びて乱れている。

 「脚…俺に絡めて?」
 突きながら薔は吹き掛けて、おでこに優しくていやらしいキスをした。
 「んっあ…っあっんっ、あっああっあっっ、んっ…あっ、」
 ナナは本能で従い、彼にも手伝ってもらいながら両脚を背中で組ませるように絡めた。

 「そう……このまましっかり掴まってろよ?」
 彼女の脚を両手で支えて持つと、薔は壁からは離れて突き上げ始める。



 パンパンパンパンッ…ッ…!

 「あっああっあっあああ――――…っっ、あああんんっ…っ、」
 少し中で角度が変わったのもまた気持ちがよすぎて、ナナは無我夢中で彼にしがみついた。
 「……ん、言われた通りにできてんな?いい子だ……」
 ふっと笑った薔は腰づかいを激しくさせて、彼女と奏であう淫音を高めた。
 キスをされる耳が熱くなって、吐息は浸透して体内までも愛撫する。

 「あああああんっっ!」
 彼にきつくしがみついて、ナナが絶頂を得ると、
 「……っ!」
 ほぼ同時に薔も勢いよく射精をした。

 「あふっ…あっ、あっあん…っ、」
 子宮目掛けて放たれた迸りを、ナナはうっとりと深く感じ取る。
 自分の躰なのに、ソコは彼だけが知っている場所だ。
 その場所を何度でも支配されてしまう淫乱な躰は、全て彼のものにされてしまっている。
 彼女はそれを、心底望んでいる、何があっても彼だけのもので、離してほしくはない。



 「……後ろからも、しよっか…」
 なめらかに中で動かしてから、薔は彼女の両脚を下ろし抜いていった。
 「ん…っ、あん…っ、あ…っ、」
 早くまた挿入して欲しくて渇望にふるえるナナは、今度は壁へと両手を突いて立たされる。

 「やらしいな、溢れてきてるぞ?白く濁ったやつ……おまえがここを狭めるから、ほら……」
 彼は濡れた自身でまずは彼女の入り口を撫でて、扇情的な音で聴覚を刺激した。
 「あっ…あっあっんっっ、あっ…はっあ…っ、」
 回された片手で乳房を揉みしだかれ、ナナは自然と自ら腰を擦りつけていた。


 「無自覚にやってるその仕草が…堪んねぇんだよ、……いいぞ、もっと欲しがれ……」
 乳房から伝い上がらせた手で顎を持ち、口内へゆびを滑り込ませると共に薔は奥深くへと突き挿れてくる。
 「はっ…っ、ああああっあっっ、」
 躰を反らしたナナの舌はゆびでゆっくりと撫でられ、ピストンは激しくて、彼女はとろりと一筋の唾液を床に垂らした。


 ズッ…ズプッ、ズチュッ、ズプッ…

 体液は繋がった性器が、攪拌させている。
 彼女の中で彼のモノは一層猛々しくなり、最奥を幾度となく突き上げた。


 「なぁ、ナナ……俺がおまえの全部を欲しがってんのも、わかるか?」
 容赦なく気持ちいい場所を責めて、後ろから耳もと確かめた薔は笑って息を乱した。
 「ん…っ、んふっ、ん…っあっはああっ、」
 ナナは壁にゆびを立てて、必死に頷く。


 「じゃあ……惜しみなく全部くれるだろ?」
 口からゆびを抜いて、顔の向きを変えさせると彼は覗き込むようにして彼女のくちびるを奪った。

 「…――――俺の全部もおまえにくれてやる、俺たちは、離れることを許されてねぇんだよ……」

 くちびるを奪う直前の囁きは、棘のように貫いた心臓を鷲掴みにしてさらっていった。




 彼がそう言うのなら、否、言われなくてもわかっている、まさにその通りだった。
 離れることを、もっともっと、許さないでいてほしい。
 何が起きても、例え残酷な真実につまずくようなことがあっても、決して、ふたりは離れられないように。














  …――Sweethearts drown together.

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