※※第244話:Make Love(&Make Love!).15







 「ん…っ!?」
 ナナは思わず、彼のモノから口を離した、声をひたすら抑えながら。
 しかしながら、この状態なら別にキスで塞がなくとも、お口はいっぱいに塞がっているも同然で。

 「…――――引っ掛かったな?」
 意地悪な笑みを彼女に落とした薔は乱れていた髪を退かすように荒っぽく頭を振ると、グイとナナの腕を引っ張ってドアに向かって立たせた。
 罠に嵌められたと、彼女が気づけたのはソコに嵌められる直前のことだった。



 「ず…っ、ずる…っいっ、あ…っあっ、」
 騙されたことにも本心では興奮しているナナの膣口に、たっぷりと濡らした彼が当てがわれ、

 「いいから、奥まで挿れられとけ……欲しかったんだろ?」

 薔は後ろから、一気に挿入してきた。

 ズプッッ――――…!







 「あ…あっっ!」
 挿れられただけでもうイけてしまったナナは、ドアにゆびを滑らせて腰が砕けた。
 すかさずつよく抱き寄せて、薔は最奥へと突き上げる。
 挿れている自身で、彼女を力強く支えるみたいに深く捩じ込ませる。


 ズッ、ズプッ…ズチッ――…

 「このままきつく締めて、腰逃がすんじゃねぇぞ?」
 ドアに当てさせた手を包み込むように手を重ねて、耳もと彼は囁きかけた。
 吐息は乱れて、立派な愛撫となり耳を滑る。

 「あっあっあっあっあっああっ…あっ、あ…っ、あん…っ、あ…っああっっ、」
 ナナは彼が奥深くに与える気持ちよさにどうかしそうなくらい感じすぎて、喘ぐしかなくなっていた。
 ゆさゆさと乳房が揺れて、たまに乳首がドアと擦れあうことも快感となる。


 「あああ…――――…っんっ!」
 ナナが絶頂を得ると、薔はゆびにきつくゆびを絡めて、

 パンパンパンッ…パンッ――…

 動きをなめらかに激しくさせた。
 ふたりがぶつかりあう度に、淫靡な体液が飛び散る。




 「こっち向いて…善がってる顔よく見せろよ、」
 薔は動きながら彼女のくちびるを撫でて、ナナは引き寄せられるままに彼のほうを向いた。
 「最高だな?可愛いよ、おまえ……」
 ふっと笑って、覗き込むようにして薔は彼女のくちびるにくちびるを寄せて、肌を滑った髪にもひどくぞくぞくした。

 「あああっあっあっは…っ、んんっ…っんう…っ、ん…っ、」
 嬌声を響かせていたナナはくちびるを奪われる、でもこれはきちんと、彼がしたいからしているキスなのだと覚ることができた。
 何度でも奥を突かれて、彼を狭めるヴァギナは彼だけを欲しがる。



 「んんんんんっっ!」
 ナナはまたしても、絶頂を得た。
 絡めている舌まで、細やかにふるえる。
 「……っ!」
 ほぼ同時に薔も射精をして、彼女の子宮目掛けて勢いよく淫水を注ぎ入れた。

 体内まで彼に支配されて、セックスに陶酔するナナは強欲になる。
 もっともっと彼だけが欲しくて、中を切なく収縮させている。



 「……っは…っ、」
 一度出された後に、少しだけくちびるは放されたものの、

 「おまえが離したくねぇなら、俺だってまだ離してやんねえ……」

 汗ばむ薔は不敵に笑って、再び彼女のくちびるを奪い素早く突き挿れた。


 「ん…っっ、んんんっっ、ん…っふっ、」
 繋がっていれば、否応なしに伝わりくる。
 彼とおんなじ気持ちであることが嬉しくて、より一層感じるナナは幾度となく奥を攻められていった。




 …――――ふたりで一緒に味わう甘いものは、鞄の中に隠されてなんかいなくて、すでに濃密に堪能していたのだろう。
















  …――A love affair is sweetest.

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