※※第242話:Make Love(&Licking).143







 「ひああ…っ!?あっ…あっっ、」
 挿れてすぐに激しく突かれ始めて、ナナは宙でつまさきまで痙攣したかのようにふるわせている。

 「潮噴いてんな、周りまでぐしょぐしょになってく…」
 ピストンに合わせて彼女は潮を噴き、薔は躊躇うこともなく再び最奥へと何度でも突き上げる。

 「あっっ!」
 彼の腕を掴んで、ナナは絶頂を得た。
 さっきイったばかりなのにまたイけて、まだまだイけてしまいそうなくらい躰は淫乱にされている。
 波打つシーツはほんとうにぐしょぐしょに濡れて、ベッドが軋むほどにてらてらと艶めいた。


 パンパンッ、パンッ…パンッ…!

 「あああっあっあっ、ああ…――――…っっんっ、あああああっ…っ、」
 ふたりは惜しみなくぶつかりあい、喘ぎつづけるナナは口の端から唾液を垂らし、

 「舌…震えてんぞ?」

 ゆっくりと舐め上げた薔は動きを速めつつ、そのくちびるをキスで塞ぐ。
 よしよしされたあたまのなかまで、切なくなる。


 「んく…っん、んはっ…んんっっ、」
 ふるえていた舌でも、彼に絡め取られれば無我夢中で伸ばされて、

 …ッ…クプッ――…

 「……っっっ…っ、」

 深く、息の根を奪い去るくらいに舌を滑り込まされ、呼吸を吸い上げられた。

 甘い目眩にくらついて、彼と合わさる中はしきりに収縮している。
 突かれすぎて猥りがましい体液は飛び散り、淫音も寝室に響いて止まらない。



 「んん…っ――――…っっっ!」
 ナナは息が止まりそうな快感に酔いしれ、絶頂を得た。
 「……っ!」
 ほぼ同時に、薔も射精をする。

 子宮目掛けて愛おしい迸りが注ぎ込まれ、体内は彼の鼓動に支配される。
 奥に出されてしまえばもっと欲しくなり、ナナは薔を必死で狭めている。


 「は……あっ、」
 くちびるが放されると、荒い吐息がふたりのあいだで混ざりあい、

 「おまえも縛りつけてやる…」

 汗を煌めかせて不敵な微笑みを落とした薔は、彼女の両手を掴んで上げさせ、ネクタイを使って結び目を強く縛り上げた。


 グッッ――――…

 「ああっ…あっあああっっ!」
 縛られてゆく最中に捩じ込むように突き当てられ、ナナはまたしても絶頂を得る。

 「こいつで涙を拭うことにもなるからな、目隠しは今は必要ねぇか…」
 彼女を縛り上げた薔は、黒いタオルは掴んで無造作に床へと放り、

 「何度見ても最高だな……おまえの泣き顔、」

 抱きしめて突き上げ、涙にゆびを這わせ耳にキスをして囁いた。

 「狂っちまいそうだ、おまえの全部が可愛すぎて……」










 「あっ…あああっっ、」
 頬や耳がおかしな熱を帯び、痺れてしまう。
 彼のくちびるは容赦なく、熟れた耳にキスをする。

 意地悪はきっと、どちらにも作用していた、たまにはこんなのも悪くないと、ふたりして同じことを思っていたから。











 …――――謎の男が捜している、

 恋人とはいったい、誰のことだったのだろうか?















  …――Mystery looks for mystery.

[ 184/537 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る