※※第239話:Make Love(&Wolf).142








 薔はゆびについた蜜を舐め取る音でも彼女を引き寄せて、パンツをずらしてもらっているナナは腰を落とし、挿入させてゆく。


 ズプッ…ンッ――――…

 「あっあ…っあああっっ、」
 彼がたっぷりと濡らしてくれてあったおかげか、慎重にやったがスムーズに咥え込むことができた。
 「挿れたらすぐに動きな?」
 薔は彼女の腰を掴んで中を擦り、一息つく間も与えずに促す。

 「あっ…あっ、あ…っあんっ、あっはあっ、あっんっあ…っ、」
 ナナもちょっと中を擦られただけで堪らなくなり、動き始めた。
 彼が何度でも最奥へ当たるようにと動く度に、乳房がゆさゆさと揺れ動く。

 「あ…っっ!」
 しかもナナはかなり早めに、絶頂を得た。
 「イってる間も休むなよ、俺はずっとおまえにきつく締めつけられてる状態なんだぞ?」
 絶頂を得ている彼女の乳房を揉みしだいて、耳にキスをして、薔は彼女に休む間も与えない。

 「それに俺は、イキながら必死になって腰振ってるおまえが見てぇんだよ……」









 「あっ…あっっああっ、あっあっあっんっ…はあっ、」
 ナナは淫靡な導きのままに、腰を動かしだす。
 「……ん、可愛いな…」
 笑った薔は息を乱し、彼女を抱き寄せる。

 ズチュッ、ズチュッ…ズプッ…

 「あああああっ…っあっ、あ…っああっっはっあっ、」
 ふたりがぶつかりあう音は凄艶に部屋を昇り、

 「おまえにいいもの見せてやる…」

 首筋にキスをしてあたまを撫でた薔は、傍らに放られてあったスマホを手にした。

 「んっあ…っ、あ…っあっんんっ、」
 喘ぐナナは先ほど見せてはもらえなかった画像かと、一瞬かすめたのだけど、

 『それじゃわたしには見えませんよぉ……』

 画面を向けられて見せてもらえたのは、自分の姿だった。


 「え…っ?あっ…ああっ、」
 まさか彼が自分を撮っていたとは驚きで、ナナは感じてしまう。
 「俺だけのものだけど……特別な?」
 悪戯っぽく笑った薔は、動画を止めるといきなり乱れていたスカートを思い切り捲り上げ、

 「こういう使い方もできるぞ…」

 繋がって何度も出し入れされる場所の撮影を始めた。
 しかもインカメラだったために、ナナは自分が懸命に彼を何度も咥え込んでいる様を見せつけられてしまった。

 「やあ…っ!?あっ…ああっ、やら…っ、見えちゃっ…っ、」
 ずれているパンツはぐしょ濡れで透けていて、ピストンが見えてあまりの恥ずかしさにおかしくなりそうなのに、この上なく彼女は興奮している。
 それは彼にも確実に伝わっているだろうから、隠しようがない。

 「そうだな、おまえのが俺に絡みついてる……」
 感じているとわかっているからこそ、薔は耳もと吹き掛けて、

 「これだって特別に見せてやってんだよ、」

 耳たぶをそっと、甘噛みした。
 今日はやけに狼の彼が、ここにきて積極的に彼女を動かせた理由はこれだったのか。
 ナナはますます、捕らえられてゆく気分にも支配される。



 「っあっ…っっうっっ、」
 彼女はその悦びに、つまさきまでふるわせた。
 つまりは彼になら、彼女との結合部がいつも見られてしまっているのだ。
 こんなところが見られるなんて、正直ちょっと羨ましい気持ちもあるのだけど、やっぱりそこは彼に独占してもらえているからこんなふうに羞恥心を高めてもらうこともできるわけで。


 「……っ、く…っ、」
 彼女に近づく限界を共に覚った薔は、カメラを止めてスマホを傍らに投げる。
 中をキュウウウッと収縮させて、ナナは戦慄き絶頂を得た。

 「あ…っっ――――――…っ!」










 「……っ!」
 彼女とほぼ同時に射精をした薔は、子宮目掛けて勢いよく原液を注ぎ込む。
 「んっ…あっ、あああっ…っんっ、」
 細やかにふるえつづけているナナは、恍惚の表情で彼を奥深くに感じ取る。
 自分の躰でも、彼だけの躰の中に。




 「こっからは俺の番だな?」
 一度放った薔は彼女の腰を両手で掴むと、いきなり最奥へと突き当てた。

 「あ…っ!?あっああっあっあっ、あ…っあっあああんっっ、」
 ガクンッと体勢を崩したナナは目の前のテーブルへと両手を突かされ、後背位となり何度も攻め立てられる。



 パンパンッ…パンッ、パチュッ…

 「白く泡立ったやつが溢れ出してきてんのを、おまえに見せてやれねぇのが残念だよ……」
 後ろから突き上げる薔はふと、乱れた息を零して笑い、

 「ああっ…あっ、あっあんっあ…っあううっっあっ、」

 彼とおんなじ気持ちのナナは、テーブルにゆびを立てて中を狭めた。
 とろりとした体液が、脚を伝い落ちる。
 ずっと繋がっていたくて、離してほしくなくて、ナナはただ必死に彼を締めつけていた。









 …――――最愛は、時に毒牙ともなりうる。















  …――And it isn't left.

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