※※第235話:Make Love(in Movie).140
彼女が絶頂を得ると、映画にはちょっとした盛り上がりのシーンでも訪れたのか大音量でテンポが速めの音楽が流れだした。
「これなら少し激しくしても大丈夫そうだな……」
囁いた薔は両手で彼女の腰を掴み、一気に奥へと突き上げる。
「……っっぅっ!?…っぁ…っ、は…っ、」
少し激しく、でもなく立派に激しくて、ナナは必死になって彼にしがみついた。
グチッ…グチッッ――…
(や…っあっ、声…っ、でちゃっ…っ、聞こえちゃっ…っ、あ…あっあっあっ、薔ぅ…っ、)
淫音は見事なまでに音楽に紛れ込んでいるが、ナナがせきを切ったように喘ぎ始めれば館内に嬌声は響いてしまうだろう。
「……っっ、くぅ…っんっ、」
躰を反らしたナナは、死に物狂いで口をつぐんだのだけど、すぐに息を上げるために開いてしまった。
そこをすかさず捕らえられて、くちびるを奪われる。
さらりと揺れた薔の髪が、気持ちよくおでこを撫でた。
「……っんっ、……っっ、」
彼の鼓動が中でどんどん増してゆく。
音楽はいつ止むかもわからない、このまま激しくされていてもいいのか、ナナは危険を感じることにも欲情している。
ほんとうはこんな場所でもこんなふうに激しくされたかった、止められない、もっともっと激しくしてほしい気持ちが雪崩れ込んでくる。
動きは激しくてもとても滑らかで、そのおかげで誰にも気づかれてはいなかった。
「っっ…――――――っっっ!」
ナナは一心不乱に彼へとしがみついて、再び絶頂を得る。
「……っ!」
ほぼ同時に薔も射精をして、口内でふるえている彼女の舌を奪い去るように舌で絡めていた。
「……っっ、……っっ…っ、」
ナナは痙攣したみたいに躰をふるわせながらも、夢中で舌を伸ばす。
漏れそうな声も我慢する、彼以外に聞かせるわけにはいかないからだ。
子宮まで薔の鼓動に支配されて、熱い迸りでいっぱいになった。
しばらくふたりは繋がったままくちびるを何度もやわらかく深く触れあわせて、音楽は徐々に小さくなっていった。
ナナはまだまだ、たくさん中に出してほしかったのだけど、
(あ…っ、抜いちゃっ…っ、や…っ、)
渇望に収縮させても、抜かれていってしまう。
とろりとした体液が溢れだして、放されたくちびるから零れる吐息も抑えつつ、ナナはぞくぞくしてしまい潤んだ瞳で彼を見た。
「続きは別の場所でしよっか……」
彼女の心情をちゃんと察している薔ももちろん一度で終わらせる気はなく、髪をしなやかに撫でると微笑んで提案した。
ナナはそろそろとタオルハンカチを手にし、彼に支えられながら席に着くとこくんと小さく頷いた。
すると覗き込むようにしてまたキスをされ、感じてひくつく中は蕩けた淫水で下着を浸らせる。
ふたりきりではない場所で、味わったふたりきりの行為に耽溺するスリルが、躰をエッチにさせるばかりで彼をもっと欲しがっている。
貪り尽くして欲しくなる、激しく乱して欲しくて堪らなくなっている。
……こけしちゃんと醐留権先生も、このままほのぼのデートだけで終わるとは思えませんので、
ふたつのエロティックな予感を醸し出したまま、物語は次話へと続きます。
…――Both are intense surely.
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