※※第230話:Make Love(&Nasty).136
「明日はいよいよ、ハリーさんと葛篭先生の結婚式ですね!」
先日は父の友人スピーチの原稿の確認なども行ってきたが、いよいよハリーと葛篭先生の結婚式も明日となった、
土曜日の夜のお話です!
ちなみにナナは只今、結婚式とは何の関係もないが手動式ポンプを使ってザザえもんの浮き輪を膨らませている最中だった。
どうやら、簡単に膨らませることができる点が、お気に入りのようです。
「あぁ、そうだな、」
ソファに座って答えた薔は、何か悩み事でもあるような様子だ。
「あれ?どうなさったんですか?」
そのことにちゃんと気づいたナナは、ポンプからすぐに手を離すと心配そうに隣へと座り、
「よ、余興とやらが、やはり薔は嫌でしたかね……?」
自分が快く引き受けてしまった余興について、じつは着々と製作や練習に励んできたのだけど彼はやはり本心では嫌なのかもしれないと思い恐る恐る尋ねてみた。
すると、
「いや、そうじゃねぇよ…」
視線を逸らしている薔はちょっとふてくされたような雰囲気で、ふたりでせっせと練習等を重ねてきた余興については特に問題視はしていないようで、ぽつりと返したのだった。
「明日はおまえもドレス着てかなきゃなんねぇからな……その可愛い姿を俺以外に見せたくねぇだけの話だ……」
「………………!」
口をあんぐりと開けたナナは、彼の言葉にそらときめいた。
「まあ、露出の少ねぇドレスだし許容するしかね」
「何でしたらわたくし、上下ジャージでもよろしいですけどーっ!」
結婚式の参加者の服装にはきちんとしたマナーがあるため露出は少ないものであることが唯一の救いだとしようとした薔の台詞を遮り、萌えで元気いっぱいのナナは声を張り上げた。
「……おまえと俺はそれで良くても、場が駄目だ。つうかそもそもの話、おまえが何を着ても可愛すぎることに俺は困ってんだよ。どんだけ控え目な服を着ても、もとが誰よりも良すぎるから否応なしに花嫁よりも目立っちまうだろーが。俺は式の最中ずっと殺気立ってなきゃなんねぇのか?」
「どひゃあああああ!」
薔もさりげなく彼女がジャージで行くことは良いようで、しかしながらやはりきちんとマナーはわきまえているためにきっぱりと根本的なものを指摘し、仰け反る勢いでナナは真っ赤っかとなった。
指摘、それすなわち溺愛故の欲目がなせるわざですが。
「でででしたら、ワンピースドレスというもののうえに、ザザえもんの浮き輪をつけて行くと言いますのは……」
「それも駄目だ、アイテムとしては場違い過ぎる上に余計に目立つ。」
「それもそうでございます……」
ナナは思いついた案を提示してみるものの、採用されるはずもなく。
夕食後の寛ぎの時間は、立派にイチャつきの時間を醸し出しております。
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