※※第220話:Make Love(&Savage).128
月曜日の朝、登校をするとさっそく果蘭は集会を開き、抱いた疑惑についてを親衛隊の皆さんに打ち明けてみた。
PVは何回視聴したか数えきれていないが、観れば観るほどに疑惑は色濃くなっていった。
切ないミディアムナンバーの歌もなにげに気に入り、ダウンロードではなくDVD付きの初回限定版を購入したいなと思っているので、FeaRのメンバーにとってはありがたいことである。
「それ、あたしも思いました…!」
「私も…!」
そしてどうやら親衛隊の皆さんはかなり夢見る乙女のようで、“薔さまは本当にヴァンパイアなのかもしれない”という疑惑を各々に持ったようだ。
……くどいようですが、立派なヴァンパイアなのは彼女のほうです。
(あたしも思いました…!)
廊下の隅も隅っこのほうで集会にオドオドと参加している萌も、心で激しく賛同した。
PVのことを教えてもらえたこともあり、入隊してよかったなと心底思っている萌だがどうしても隅っこが性に合っていた。
「もうさ、三咲さんが咬まれてるんじゃないかって考えた(妄想した)だけで、めっちゃR指定になっちゃって……」
「あたしもです……もうやばい……」
「PVだけでも濡れたのに……」
果蘭を筆頭に、ほとんどが18歳未満にも拘わらず頭の中は否応なしに18禁を思い描いてしまい、止めようとすればするほど思春期故のエスカレートだかをして涎を垂らしそうになった。
本物のヴァンパイアが認めるほどヴァンパイアっぽいようなので、無理もない、かもしれない。
ちなみに言うまでもありませんが、噛まされている様子なら実際に何度も描かれております。
一度でいいから咬まれてみたい……とかめくるめく妄想に励んでいるうちに、真実を確かめずにはいられなくなったようで、
「ほ、本当に薔さまがヴァンパイアなら、こっそり三咲さんに牙剥いてらっしゃらないかな…?」
「今日はマジで凝視させていただきます…?」
「勇気出して……皆で凝視してみようか……」
こそこそと話し合った結果、皆さんは勇気を出して凝視に挑むこととした。
勇気が出せないうえに放送室の件で萌え悶え死にしそうだった萌ちゃんは、自分の教室からイメージで凝視してみようと目論んでいる。
…――――何の証拠も掴めないとは思いますが(薔は正真正銘ヴァンパイアではないので)、皆さんのどさくさ紛れの凝視は果たして許されるのだろうか?
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