※※第218話:Make Love(&Envy).127
映画を終えるとちょうどお昼より少しだけ前くらいで、映画館の近くのレストランで昼食も済ませてから、こけしちゃんは醐留権に連れられ高級ホテルの駐車場に辿り着いた。
ホテルと言うことは、まったりもするのだろうけどやはり一番の目的はエッチなのだろうから、ドキドキのこけしちゃんは黙って俯いていた。
映画鑑賞を終えてからは彼の刺々しさは払拭されていたが、不意に車内では沈黙の時間が流れることがあった。
沈黙が気まずいわけではなかったが、意味深で、何となく不安は募る。
チェックインの時間などを特に知らされていないこけしちゃんだが、このホテルは醐留権グループの皆さん御用達であることをちゃぁんと知っていた。
しかしながら、地下の駐車場に車が停められてからも、しばらく沈黙が続いた。
(うんぅぅ、やぁっぱりぃ、ゾーラ先生ぇの様子おかしいなぁぁ、薔くぅんと何かあったのかなぁぁ?)
彼の様子が普段と違うことを、腐的な方向へ持っていかせようと考えを巡らせた瞬間に、
「悠香、」
突然名前で呼ばれ、こけしちゃんはドキィィッとしてしまった。
名前で呼びあうのは教師と生徒でありながら恋人同士のふたりにとって、特別な意味を持っているから。
「えっとぉぉ……要ぇ?どうしたのぉぉ?」
恥ずかしそうに名前で返したこけしちゃんの隣、シートベルトを外した醐留権はちょっと強引に彼女のシートベルトも外してしまった。
そして、
…ッ…くちゅっ…
もしかしたら誰かに見られるかもしれないのに、座席を倒すこともないままくちびるを奪いにきたのだ。
「んぅ…っ、」
しかも初っぱなから舌先を絡められ、感じたこけしちゃんは車窓にゆびを滑らせて、
「君は、悪い子だね?」
くちびるを放した醐留権は、微笑みこそやさしかったが言い方には棘を含んでいた。
「いくら相手がゲイとは言え、他の男とのやりとりを嬉しそうに彼氏に話すとはね……」
ガタンッ――――…
助手席のシートは倒され、こけしちゃんはようやく彼の様子がどこかおかしかった原因を知ることができた。
「実はチェックインまでは、あと一時間ほどあるんだ…」
シートごと押し倒してしまった彼女のくちびるに、またキスを落とすと、
「それまで……ここでしてようか、」
醐留権はこけしちゃんの両手首を押さえつけ、首筋へとくちびるを這わせていった。
「やぁぁ…っ、ダメぇ…っ、」
高級車だし、誰か来たら困るしで、こけしちゃんは甘い声で訴えるものの、
「声を出してはいけないよ?」
手首から放された片手で、口元を覆われてしまった。
「ん…ぅっ、……っんぅっ、」
くちびるはどんどん下を目指し、こけしちゃんは乱れたワンピースから覗かせる脚をふるわせた。
…――――ふたつのエロティックを醸し出したまま、
物語は次話へとつづきます。
…――Both are surely erotic!
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