※※第214話:Make Love(&Allure).125








 ズプンッ――――…

 「あっっ!」
 マットのうえで絡みあってからは、ローションの混じった湯船のなかでも挿入した。
 彼に掴まったナナがとろとろの液体のなかで、中へと咥え込んでいた。

 「ほら、動けよ…」
 ヌルヌルに濡れた背中を撫でて、薔は促す。
 「ん…っんっあっ、あ…っ、」
 挿れただけでイけてしまったナナは、なめらかに擦りあわせるように動き始めた。
 とろりとした液体が、タプタプと音を立てる。



 はむっ…

 「あ…っ、ああん…っ、」

 不意に薔は、無我夢中で動く彼女の首筋を、甘噛みして、

 「俺もいつかおまえの肌に……牙、立ててみてぇな……」

 噛んだ部分をゆびさきでなぞって、囁くと、激しく奥へと突き立てた。


 「あうう…っっ、」
 彼に噛まれることを想像しただけでも、ヴァンパイアのナナは感じすぎてしまった。
 「何でそんなに興奮してんだよ…」
 妖しく笑った薔は、首筋を甘噛みしながら何度も突き上げる。
 水面は大きく揺らめき、音も淫靡に昂った。



 パチュッ、グチュッ…

 「あっあっ…あっんっ、まら…っ、イっちゃ…っ、あ…っ、」
 ナナは彼へとぎゅうっとしがみつき、首筋にはキスの痕が残される。
 「また一緒にイけそうだな…」
 吐息と共に彼のくちびるは、艶かしく肌を伝う。
 気づくと躰にはいくつもの証が、赤黒く浮かび上がっている。


 「あっあっ…あああっっ!」
 躰を反らしたナナは、またしても絶頂を得た。
 「……っ!」
 ほぼ同時に薔も、何度目かの射精をする。
 一番熱くて蕩ける場所は、何度でも彼に支配される。



 「はっあ…っあっ、ん…っあ、」
 ナナも何度でも、それを求めていたくて、

 「ん……っ、」

 合わさって鼓動を感じながら、ふたりはくちびるを重ねた。
 ぬるま湯のなかで繋がって、冷めることを知らずにいた。
















 ――――――――…

 ふたりがベッドでも激しく繋がっちゃっている頃。

 (明日真依さんは休みだよな……でも俺は休めねぇえ……)
 スタジオにて真剣な表情で、屡薇は“俺のマカ一本”を飲んでいた。
 がしかし、彼には秘策があった。
 目の前のテーブルには、とある一枚の光ディスクが大事そうに置かれている。


 「あのさ、俺明日、これを薔ちゃんたちに渡すためにちょっと長めの休憩取っていい?」
 「今日これからじゃなくていいのか?」
 「今日いきなりは何か、悪りぃし。」
 「屡薇が珍しくおれたちに気ぃ遣ってる!」

 ボーカルくんは大感動だが、ただの下心です。


 ……どうやら、ついにプロモーションビデオのヴァンパイアバージョンが、

 完成した模様です!
















  …――She will also be excited!

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