※※第211話:Make Love(&Sex aid).18







 「欲しかったんだろ?言えよ、ほら…」
 容赦なく突き上げ、淫靡な吐息を吹き掛けると薔は促す。

 「おまえは今何で気持ちよくなってんのか……」






 「ん…っあ、は…っ、」
 きつくシャツを両手で掴み、導かれたナナはなるべく彼の耳もとで言葉にしてゆく。

 「薔…のっ、っンぁっ、……おちんちん…っ、れすぅ…っ……」











 ズルッ――――…

 「ちゃんと言えたな?偉いぞ…」
 「ん…はっ、あっ…っう、あ…っ、」
 突かれながら、玩具が抜かれていった。
 つぶつぶは振動と摩擦を与えながら移動し、最奥へと当てられる中は収縮を止められない。

 「……っっ、うんん…っ、」
 やがて抜かれたバイブの先とアナルとはしばらく、糸を引く体液が繋げていた。
 とろりと垂れて落ちる瞬間に、猥りがわしい煌めきを帯びる。
 ナナは勿論知る由もなかったが、バイブにはスイッチもついていたために振動は止められとうとう床へと姿を潜めた。


 「ひ…っあっ、ん…ンんっ、」
 もう限界もいいところで、忘我の境にいるナナが嬌声を響かせてしまいそうになっていると、

 「我慢できねぇなら、キスしてやるよ…」

 薔はくちびるを奪いにきた。



 …ッ…ちゅくっ――…

 「ん…っふ、ん…っ、」
 歯を食い縛っていたくちびるはすんなりとこじ開けられ、なめらかに舌は絡みあった。
 唾液で奏でる音も、卑猥に高まる。

 そして、

 「んっっ!」
 ナナが絶頂を得るのと、ほぼ同時に、
 「……っ!」
 薔も彼女の中へと射精をした。




 ドクッ…ドクッ――…

 「……っんっン、ん…っ、」
 子宮まで、脈打ちながら注ぎ込まれる彼の熱に支配されて、躰をふるわすナナの湿った乳房が揺れ動く。
 シュルリとリボンが解かれれば、ブラウスはより一層はだけて艶めいた肌がさらに露となった。

 「は……っ、」
 放されたくちびるのあいだ荒くなった吐息が交ざりあい、糸を引かせた唾液が滴り落ちる。
 動きはまた、一段と激しくなる。

 「止まんねぇのは…おまえのせいだぞ?」
 奥深くへと捩じ込むみたいにして突き当て、薔は彼女を抱きしめ息を乱して笑った。

 「俺はおまえだけのものだからな…」








 「んっは、う…んっ、」
 ナナは快感に泣きながら、必死になって頷く。
 「ほんと可愛いよな、おまえ……もっと感じて…躰中で欲しがって、泣けよ……」
 濡れた頬に舌を這わせて、薔は中でふたりぶんを攪拌させてゆく。

 「おまえは俺だけのものだろ?」









 「ん…っっ、」
 中でもしがみつき頷くナナは応えた、彼だけのものである心の奥底から。

 パンッパンッ…パンッッ――…

 混ざりあった体液が飛び散る。
 ぶつかりあうほどに、蕩けて、離れ難くなる。


 「またキスしてほしかったら…今度は自分から舌伸ばせよ?」
 濡れた臀部へゆびを這わせて、食い込ませ、薔は彼女を誘う。

 「……っは、あ…っ、」
 ナナは素直に舌を伸ばして、求め、

 ふっと笑った彼は舌を絡めてくちびるを奪ってしまった。




 「ん…っん、んん…っ!」
 濃密に舌が絡みあうと、すぐにナナは絶頂を得て、
 「……っ、ん…っ、」
 収縮に堪えた薔は狭まる中へと突き挿れた。
 そうすれば彼女の中はもっと、彼へときつく縋りついた。




 互いに深く溺れてゆくことしか、できずにいる。
 舞い戻った夢の意味を、ナナはまだこれっぽっちも知らずにいた。














  …――Moreover mystery deepens.

[ 215/535 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る