※※第207話:Make Love(&Sex aid).17
メインカップルが朝までのエッチに励んでいる頃。
「要さ〜ん!遅いよ!」
夜遅くに帰宅した醐留権へと、なぜかセーラー服を着せられている羚亜が泣きついてきた。
これは是非とも写真を撮って愛羅に送ってあげるべきかと。
「要さんの家族って、まともな人あんまりいないの!?」
半泣き状態の羚亜は、今ゾーラ先生に対して一番訊きたいことを代表して尋ね、
「す、すまない、羚亜……その格好で何をさせられたんだ?」
「踊らされたし歌も歌わされたよ!ほんと酷い目に遭ったよ!」
祖父については埋めておいてくださいで電話を切った醐留権は、とりあえず羚亜をなだめる。
セーラー服着せられているのにやらされたことはあまりセクハラじみてはいないな(こけし姉さん残念)。
「おっ、要か、ようやく帰ったか。しばらく見ないうちに随分と男前になったな?生まれたときから男前だったが。さすがはおじいちゃん子。」
ここでついに、醐留権のおじいちゃんこと加茄太郎が、羚亜を追いかけてきたらしくあっさり登場した。
奏も使用人たちも一番偉い人物である加茄太郎には手を焼かされ疲れきっているのか、屋敷のなかはしんとしていた。
加茄太郎おじいちゃんは身長はゾーラ先生と同じくらいで声も特に野太くはなく(ここはおそらく隔世遺伝)、立派な和服姿の初老男性だった。
「私は典型的なおばあちゃん子でした。」
「そうかそうか、みつえは絶世の美女だったからな。」
きっぱりと醐留権が返すと、祖父は軽いノリでノロケてうんうんと頷き、
「私に話があるのではなかったのですか?」
ひとまず羚亜を自室に戻らせてから(写真!)、たいそう面倒くさそうにゾーラ先生はおじいちゃんへと問いかけた。
「そうだ、要!必汰から聞いたぞ!?お前、教え子と付き合っとるのか!?けしからんな!」
急にキリリとした加茄太郎は、孫へと詰め寄った。
「今度その子をおじいちゃんに会わせなさい!」
「どうしてそのような面倒なことをしなければならないのですか?」
眼鏡をくいっとさせた醐留権はさらに面倒くさそうになった。
しかしながら、こけしちゃんにかなりのピンチ到来か!?
と思いきや、
「決まっておろうが、」
これ以上ないくらいのどや顔で、加茄太郎は声を張り上げた。
「おじいちゃんはJKが大好きなんだ!」
「……………………。」
ゾーラ先生、無言。
眼鏡がずり落ちるようなこともなく、ひたすら呆れかえった。
「制服姿がいいな〜!学校が終わったらそのまま連れてきてよ〜!」
「……お断りします。」
……やはりゾーラ先生の家族は、まともな人物の割合のほうが少なかったようだ。
…――Uproarious feeling!
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