※※第205話:Make Love(&Beloved).120







 「どんどん挿ってく…」
 彼女の腰を両手で支えて、薔はちょっと意地悪く微笑みかける。
 「んん…っ、あ…っ、」
 自分には見えずにただ感じているのだけど、同じく感じている彼にはよく見えているのだと思うほどナナは昂った。
 傷はすっかりきれいになった、はだけた薔の胸元へとゆっくり手を這わす。


 ズプンッ――…

 「あっ…っん、」

 すっかり嵌めてしまうと、奥へと擦るように当たって、

 「…――――しばらく動かずにこうしてんのか?」

 感じて痺れてしまっている彼女の腰を撫でて、彼は引き寄せ促した。


 「んっ…ん、んっあ…っはっ、」
 導かれたナナは自分から、動き始める。
 彼のモノが何度でも最奥を突くように。


 グチッ…グチッ…

 「あっあっん…っあ、あっあ…あっ、気持ちい…っ、」
 動きながら、彼女は素直に甘えて振り絞る。
 「ダメじゃなくて?」
 息を乱しながらも笑って、薔は両手で乳房を揉みしだいた。


 「ああっっん!」
 ナナは絶頂を得る。

 「……っ、く…っ、」
 収縮に堪えた薔は歯を食い縛り、乳房へとやわらかくゆびを食い込ませる。
 軋むソファは体液で湿り、艶を帯びて揺れ動く。



 「は…あっあ、あっん、あ…っ、気持ち…よすぎ…っえっ、ら…めっ…れす…っ、」
 ナナはイキながら、濡れた視線を彼へと落とした。

 「薔ぅ…っ、らめ…っ、も…っ、すご…っ、気持ち…いっ……あっあ、」









 「……ったく、おまえは…可愛すぎなんだよ、」
 乳房から滑り落とした両手で、薔は彼女の腰を掴むと一気に落とすようにして突き立てた。

 「こっからは俺のペースだ、激しくするぞ…」








 パンッ、パンッパンッッ――…

 「あ…っ!?あっ…あ、そっ…なっ、らめっ、らめぇ…っ、」
 幾度となく子宮目掛けて突き上げられ、ナナは髪を振り乱して喘ぐ。

 「要するに…気持ちよすぎんだろ?」
 薔は容赦なく中を突きながらも、しなやかに彼女の髪を撫でて整えていた。
 「ん…っああっあ、はあ…っん、あ…っ、」
 ナナは彼のその手つきにも、たくさん感じてしまう。


 挿れてから今までは自分のペースだったのか、この激しさは確かに彼のものだがずっと彼のペースでいたような気がしてならない。




 「あああぁぁっっ!」
 ナナは戦慄き、またしても絶頂を得る。

 「……っ!」
 ほぼ同時に、薔も射精をして、

 ドクッ…ドクッ――…

 鼓動のごとく迸りを彼女の体内へと注ぎ込んだ。
 取り込んだ血液も、放たれた精液も、彼はすべてで狂おしく彼女を満たし支配してゆく。


 「んっあ…あっ、あ…っ、」
 愛おしい熱を、子宮に感じて恍惚の彼女へと、

 「ナナ……」

 薔は両手を伸ばして。





 グイッ――――…

 つよく引き寄せてくちびるを奪う寸前に、彼は甘い声で囁いたのだった。

 「愛してるよ……」












 「ん…っふ、ん…っ、」
 性器を絡めて動きながら、舌と舌も絡めあう。
 想いを流し込むように、狂気を流し込むように。

 テーブルのうえのノートのページは、ふたりの激しさにはらりと揺れて、恥ずかしげだった。
 一番のご褒美はまだまだ終わらず、味わい、融けあうようにどこまでも堕ちていった。
















  …――And a test is waiting!

[ 122/535 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る