※※第165話:Make Love(&Shame).93
ナナ母が口にした“嫌な予感”とは、まさかこのことだったのだろうか?
明日は土曜日なのですが、何と、今年度より土曜日授業が再開されたのです。
それを未だに知らないナナさんは、
「明日はお休みだよ!」
薔と一日中一緒にいられると、この日の放課後はたいそう浮かれていた。
(あぁぁ、きっと薔くぅんが何とかするだろうからぁ、黙っとこうぅ。)
こけしちゃんは粋な計らいに、ニコニコでございます。
その頃――――…
「えっと…、暮中くん、いる…?」
2-1の教室へと、とある人物が薔を訪ねてやってきた。
「あ?」
「あの人確か、三咲さんのクラスの副担だよね?」
羚亜にまたしても、課題のお手伝いを頼み込まれていた薔が若干険しくそちらを見ると、
「君にちょっと、お願いしたいことがあるんだけど…職員室までいいかな?」
その教師はおどおどと、小さく言いました。
「手短に済ませろよ?」
「もっ、もちろん!」
堂々と返した薔は、ナナのクラスの副担より先に歩きだす。
「まさか、三咲さんにスパルタ教育のお願いとか…!?」
羚亜は慌てふためいたが、
「羚亜くんたら心配性!かわいっ!そんなわけないじゃん!課題やるぞっ!」
「あっ、うん!」
明るく言い聞かせた愛羅と共に、課題の続きへと取りかかったんだとさ。
――――――…
「あ〜あ、お兄ちゃんがじつは妹大好きで、ほんと良かった…」
2-1の教室をふたりが出ていった後、ナナの教室にはすかさず魔の手、否、百合の手が忍び寄った。
「三咲先輩っ!」
「ひぇえ!」
ひどく慌てた様子のあかりの声に、“二度と近づくな”と言われているナナは仰け反って驚いた。
そして、
「わわわたし、あかりちゃんには近づくなと言われておりますので!ごめんなさい!」
ズザザアァア――――…!
椅子に座ったまま、ナナがかなり後ずさると、
「大変です、三咲先輩!」
迫真の演技で、あかりはこんなことを言ってきたのでした。
「暮中先輩がさっき、女の子たちに連れて行かれました!」
「えぇぇぇえええええ――――――――――――――っ!?」
えーっ、ぇーっ…(※まさか告白とかですかぁ!?なエコー)
「どどどどどちらに!?」
「こっちです!」
よってナナはまんまと、あかりに連れ去られた。
「ナナちゃぁん、ファイトぉぉ。」
目指せヤキモチプレイぃぃなこけしちゃんは、にっこにこと見送っておりましたけれど、
どうなる!?ヒロイン!
…――He'd save her!
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