※※第190話:Make Love(&Mirror).110
ゴールデンウィークも最終日、振替休日がやってきた。
じつは昨日の帰りではUターンラッシュに巻き込まれたのだが、本日もニュースでは新幹線などのUターンラッシュについてが報道されていた、観てはおりませんが。
「すごいですねーっ!今日までお休みなんですね!薔っ、今日は何して過ごしますか?」
旅行から帰ってすぐに言いつけを守り真剣に勉強をしたナナは、朝方の花子と豆のお散歩も朝食も済ませてから元気よく尋ねてみた。
本日も真剣にお勉強をするという考えは、ナナの中にはどうやらないらしい。
「つうか、一昨日はおまえ、俺に甘えまくったよな?」
ソファに並んで、彼女が煎れてくれたお茶を飲んでいた薔はさらりと返した。
「今日は俺がおまえに甘えまくってもいいか?」
酔っぱらってたわたしバンザ――――――――イっっ!
アーイ、ァーィ…(※願ったり叶ったりのエコー)
真っ赤になったナナはこころで目一杯の万歳をした。
ここは年上発揮と、あたふたしながらも努めてキリリとしてみる。
「どどどどどうぞ!思う存分に、甘えてください!」
その上若干鼻息までも荒くしながら、彼の隣で両手を広げて見せた。
「いざそう言われちまうと、何も思い浮かばねぇな。」
「えーっ!?」
薔は彼女にはまだ何もせずにマグカップをテーブルへと置き、両手を広げたままナナは非常に残念がる。
ふたりがイチャイチャしているなかでも、寄り添って花子と豆はウトウト寛ぎの時間である。
「こう、ぎゅっとか、むぎゅっとか、いろいろありますよ!?」
負けじと両手を広げるナナが、表現からしてさほどいろいろとは思えない提案をすると、
「じゃあ、そうするか。」
お言葉に甘えてといった感じで、薔はぎゅっと彼女に抱きついてきた。
「………………!」
提案してみたのはナナだが、沸騰してしまいそうになった彼女は勢いよく後ろのめりにぶっ倒れるかと思った。
となると見た目には押し倒されることとあまり変わりはないようになってしまう。
「おまえってやっぱ、抱き心地最高だな?」
懸命に堪えたナナに抱きついて、薔は笑って言葉にする。
(あわわわわわわわわわ…!かわいい…!)
ふわんといい匂いがして、ぶるぶるとふるえるナナは無意識のうちにか手のやり場に困ったのか、
なでなで…
と彼のあたまを撫でてみた。
「……それだとちょっと、乱れるぞ?」
「あぎゃあ!すみません!」
なでなでよりやや、手つきは激しかったようです。
[ 388/537 ][前へ] [次へ]
[ページを選ぶ]
[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]
戻る