※※第189話:Make Love(&Make Love!).10.5
『悪霊ッ…、たいサーン…!』
いずれ息子が霧吹きで、娘のブラウスを湿らせている。
『声が小せぇよ、いつもの喧しさはどこ行っちまったんだ?』
すると、指示を出すお師匠さまが画面に映し出されたため、
ほう…
近所のおじちゃんおばちゃん方も、うっとり。
よって、誰一人として危ない環境や“悪霊退散”という言葉について怪訝に思うことはなかった。
川の激流の音がちょっとうるさいなと思っているくらいだ。
それぞれカップルごとに盛り上がっていると突然、葛篭先生の携帯が鳴ったため、さっそく動画についての感想かと車内は気を利かせ静かになった。
静かにしながらも薔は、隣のナナのほっぺをゆびでくすぐったりとちょっかいを出している。
わんこたちも大人しく、寄り添ってウトウトしている。
「はい、お母さん?」
助手席のこけしちゃんにニコニコと笑顔で合図された葛篭は、電話を繋いだ。
『実穂子〜?ちょっと、びっくりしたわよ!』
母は興奮している様子で、車内にも聞こえてしまうほどの声量で、話し始める。
「そう、良かった!」
娘も喜んで返すと、
『ハリーさんにあんな素敵な、お師匠さまがいらっしゃったなんて!』
母は大興奮して言いました。
「お母さん?」
葛篭は目をぱちくり。
ハリーはHERAHERAしているが、周りは笑いを堪えだす。
肝心のお師匠さまは彼女の鼻をくすぐり、構われるナナはくしゃみを我慢するのに必死。
『今度お母さんたちにも、エクストリームアイロニングを教えてほしいわあ!実穂子、くれぐれもお師匠さまと、あと眼鏡のかたにもよろしく伝えてね!もちろん、ハリーさんにも皆さんにも!じゃ、お母さんたちこれからもう一回観るから!』
母はそれだけ伝えて、電話を切った。
「…………たちって、お父さんのことよね?」
葛篭はツーツーという音が未だ聞こえてくる、母が電話を切った後のスマホ(ロボットのほう)の画面を怪訝そうに見つめ、
「くしゅ…!」
静けさの中、ナナはとうとうくしゃみをしてしまった。
「もうっ、やめてくださいよ…!」
真っ赤になったナナは自分の鼻を抑え、葛篭は無言、ハリーはHERAHERA、こけしちゃんと醐留権と羚亜と愛羅は電話の内容について笑いを堪え、薔は彼女のくしゃみの可愛さに笑いを堪えている。
“ウフフフフフ…”
電話の内容に満足の花子はゆったりと尻尾を振り、豆はそんな花子にもたれてすやすやと眠っていたのであった。
……ゴールデンウィークはあと一日、振替休日がございます。
…――The result is good!
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