※※第186話:Make Love(&Spume).108








 バスルームは次第に、甘い香りと共に湯気にも包まれてゆく。


 ズッッ――――…

 「んん…っあ、」

 湯船の中でも、向かい合い、ナナが腰を落として繋がっていた。


 「今度は…おまえから動けよ?」
 落とされた腰を撫でて、薔は彼女を誘う。

 「あ…っあ、……あ…っ、」
 ナナは彼に掴まって、おもむろに腰を動かし始める。


 チャプチャプと跳ねるぬるめの湯も、合わさったふたりを彩るみたいに濡らしている。

 「ああっあ、気持ちい…っ、あ…っ、」
 上擦った声を響かせて、ナナは腰を擦りつけ、

 「……ん、そうだな、」

 ふっと笑った薔は、彼女の濡れた髪を撫でながらその躰を抱き寄せた。

 「蕩けてるくせにほんと…何度でもよく締まるよな、」









 「あん…っ、」
 感じてしまったナナは、彼へとしがみつく。
 それは中も同様で、

 「……っ、ナナ…」

 収縮に堪え、薔はさらに彼女を抱き寄せてから、

 「もっとぎゅってしていいぞ?」

 囁きと共に、くちづけた。





 「ん…っあ、はっん、ん…っ、」
 舌と舌は絡まり、湯の中では性器が絡まる。


 否応なしに、言われた通りに中を狭めてナナは彼を奥まで吸い寄せ、

 「……っ、ん…っ、」

 不意に、切なげに躰をふるわせた薔は、彼女の下唇を甘噛みした。


 ビクンッ――――…

 「あ…っン、ん…っ、」

 堪えきれないようなその仕草に、ナナもまたこの上なく欲情している。


 「はぁ…っ、あ…っ、」
 湯船の中ではなめらかに腰を動かして、吐息を零し、視線をも絡めながらどこまでも行為に耽溺していった。

















 ――――――――…

 『OH〜、実穂子サーン!』
 帰宅したハリーは、一度メッセージで確認をしてから、葛篭へと電話を掛けていた。

 「ハリーさん、お願いって何ですか?」
 陽気な彼の声に、笑いを堪える葛篭はやさしく尋ねてみる。



 するとハリーは陽気さを持続したまま、

 『ワタクシと共に、エクトリームアイロニングの旅に出マショウ!』

 電話越しにゴン!という音を聞かせ、言ったのである。

 『大丈夫デース!お師匠サマご夫婦も一緒デスノデ〜!』

 と。







 「お師匠さま…?」
 その点についてが非常に気になった葛篭先生は、不可解な音について触れることはなかった。

 『実穂子サンには撮影係をお願いいたしマース!』
 高らかに笑うハリーは、おそらくおでこも頬も赤くしていることだろう。




 行き先はどこなのか?
 四人で行くことになるのか?

 ゴールデンウィークにも、何かが起こりそうな予感?
















  …――That's nice feeling surely!

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