※※第131話:Make Love(&Sex aid).5
あなたを想うだけで、
張り裂けんばかりの鼓動が、
安らぐときすらこの胸にはあなたを抱いてる。
『In short, you are all.』
(非常に困った…、ここは彼に頼るしかない…)
もうすぐ3月です。
気温はあたたかくなりゆく今日この頃、醐留権は一人悩み抜いていた。
(先日は探りを入れるはずが、ほとんど映画とセックスで終わらせてしまったからな…)
……それもそうなんだけど、ゾーラ先生はそんな真剣な表情でいったい何を悩んでるの?
それより、彼ってだれだ?
たどり着いた1-5の教室にて、スマートにギャラリーを振り切りますと、
「すまないが、今日は強奪させてもらおう。」
グイッ――――…
醐留権はなんと、かなり無理矢理に薔の手を掴んだのだ。
周りはキャーキャー言ったりしてる。
「おい、離せ。」
「今日ばっかりは勘弁してくれ!」
いささか揉めてはおりますが、ふたりの美形男子は見ようによっては手を繋いで歩いて行っちゃいまして。
「こけしちゃん!しっかりーっ!」
「ナナちゃぁん…、聞いたぁぁぁ?強奪だってぇぇぇ…」
「こけしちゃーん!」
乙女たちは、まぁ、こんな感じ。
「いい加減ぶち割るぞ?眼鏡、」
「あぁ!今日ばっかりは、割られても構わないさ!」
潔い醐留権先生は、結果として顔面流血とかにまで及ぶことを知っているのかいないのか、
ぱっ
ちょっと隠れた場所で薔の手を離しますと、
「じつは…、」
照れくさそうに、告げたのだ。
「3月1日は桜葉の誕生日でね、何をプレゼントしようか決めかねているのだよ…」
と。
「………………、」
眼鏡がぶち割られるホラーの事態は、何とか免れたようで、
「誕生日は何かこう、とっておきのものにしたいんだが、とっておきのものというのがよくわからなくてね…、何かいいアドバイスはあるかい?」
醐留権は真面目に、つづける。
すると、
「仕方ねぇな、俺とナナも探り入れといてやるよ、」
「本当かい!?助かるよ!」
最近の険しさはどこへやら、ふたりの関係はちょっと和んだ、
「いいから触んな。」
「この期に及んでまだそうくるか!」
りはあまりしていなかった。
…――――まぁ、確実に喜ぶプレゼントといったら、もちろんアレだよね、
君たちふたりによる、何かこう、ラブを含んだ絡みだよ!
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