※※第129話:Make Love(&Love potion).69







 (ものすごい視線を感じるな…)

 映画館にて、醐留権は若干冷や汗をかいておった。


 ですので、

 「さ、桜葉、」
 「なぁぁにぃ?ゾーラ先生ぇ、」
 隣に並んでいる、こけしちゃんに向かいまして、

 「気のせいだろうか、周りがものすごく、私の事を見ているのだが、」

 と、明かしてみた。



 「気のせぇいじゃないのぉぉ、」
 瞳をこれでもかと言うほど、キラキラァとさせたこけしちゃんは、

 「だってこれぇ、“劇場版ドS探偵ゴルゴンゾーラ”だもんぅぅ。」

 たいそううっとりと告げたんです。





 …――――まさかのゴルゴンゾーラさんかい!




 「いやしかし、何だかとてつもなく落ち着かないんだが、」
 「あたしはちょぉっとぉ、鼻が高くなっちゃうかもぉぉ。」


 …館内で最も目立つカップル、ここにあり!













 さてさて、劇場では何かしらのハプニングが起きちゃうのか、

 ナナと薔はいったいどこへ、デートしに行ったのか、

 は、次話へと持ち越すことにしましょう!

















 ――――――――…

 夕月は密かに、パリへと発っていた。


 仕事を終え、自宅での作業をしていた彼のもとに、真夜中、一通の電子メールが届く。


 公で使用しているアドレスなため、夕月は気づいてすぐにそのメールを開いたのだ。








 差出人のアドレスに、心当たりはまったくなく。

 そこには、こう記されていた。










 “世新竜紀はまだ生きている


  ...What does it mean?”













 「“それは、何を意味するか?”」

 パソコンの画面と向き合い、夕月は静かに口にする。














 …――――さぁ、まずは散らばったパズルのピースを、

 探すところから、始めてみようか。





 どこかでだれかが、笑った気がした。

 歯車はまた少しだけ、軋む音を立てた。
















  …――A surprising intention to it...

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