※※第163話:Make Love(&Public sex).2














 優しく触れたいと、願う、
 指先にまで、
 壊してしまいたいと、想う、
 狂気は満ちている。


 …――その狂気こそが、

      優しいのか?



 『そばにいてよ、この愛が罪でも。』















 学校の桜たちも、ピンク色の花びらを開かせちょうど見頃となっていた。
 あたたかく吹く風にも、ひらひらと桜の色が添えられ春をより一層感じさせてくれる。



 「きっ、緊張してきちゃいましたよ…!」
 下駄箱の壁に掲げられたクラス替え発表、それすなわち新しいクラス!の書かれた紙を前に、ナナはゴクリと息を呑んだ。
 そしてゴクリと息を呑みながら、どさくさ紛れに隣の彼氏へとむぎゅっと抱きついていた。

 「………………。」
 よって、ムラッときちゃった薔には新しいクラスどころの話ではない。




 ……始業式にあいも変わらずのイチャイチャでございますが…

 周りもなぜだか、息を呑んだ。


 するとそこへ、

 「あぁぁ、ナナちゃぁんたち見っけぇぇ。」

 既に新クラスの確認を終えていたこけしちゃんが、おっとりにおいてのいそいそで駆け寄ってきたのだ。

 「こけしちゃーん!」
 未だどさくさに紛れつづけているナナのテンションが、上がったところで、

 「ナナちゃぁん、今年も同じクラスだよぉぉ?」
 「えっ!?ほんとうに!?」

 という朗報の直後、乙女たちで手を取り合う前にこけしちゃんは衝撃の事実を明かしました。

 「でもぉ、見事なまでにイケメンとは分かれちゃったのぉぉ。」

 と。








 「こけしちゃん、どういうこと?」
 事態をうまく呑み込めていないナナは、目をぱちくりさせて聞き返し、

 「あのねぇぇ、」

 ニコニコのなかにもどこかしら切なさを混ぜ、こけしちゃんはつづけたのでした。

 「あたしとナナちゃぁんは同じクラスだけどぉ、ナナちゃぁんと薔くぅんは違うクラスってことぉぉ。ちなみに薔くぅんと羚亜くぅんは同じクラスでぇ、担任はゾーラ先生ぇだよぉぉ?」

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