※※第141話:Make Love(&Make Love).6
…――――赤く染まって、
まっ逆さま。
洗い流して触れるまえに、
いっそ全部汚そうか。
「要がっ、お兄ちゃんの誕生日を、祝ってくれるとはぁっ!」
パーティー会場にて、本日の主役である奏はほろ酔い気分で号泣しておった。
「兄さん、もういい歳した男なんですから、人前でそんなに泣かないでください。みっともないことこの上ないですよ。」
「要はいい子だなぁっ!」
「私の話を聞け。」
なだめるというよりむしろ叱っているように思える弟は、雰囲気がいい加減険しくなりつつある。
そんでもって、
「要がお兄ちゃんのこと、大好きだなんて言うなんてなぁあ!」
「それはまた随分と気味の悪い幻聴ですね、」
えぐえぐと泣きじゃくっていた奏は、
「要っ!可愛い我が弟よーっ!」
がしっ!
弟へとよじ登った。
「こんっなに大きくなってーっ!」
「兄さん、いくら自分に髪が生えていないからと言って、セットした私の髪を乱すのはやめてくださいませんか?」
「おーよしよし!」
「私の話を聞け。」
なんだかんだでこの兄弟、仲良し…なのか?
ゾーラ先生が珍しすぎることに、たまに命令口調だけど…
……はぁぁぁっ!
このとき、端から見ていたこけしちゃんには、輝かしいばかりの腐の閃きが起こった。
(これだぁぁぁっ!)
もしや、ついに醐留権兄弟でいっちゃうのか!?
と思いきや、
(ナナちゃぁん、待っててねぇぇ、)
にっこにこのこけしちゃんは、こころで親友に熱きメッセージを送りました。
(これならぁ、薔くぅん公認いける気がするぅぅ、ラブラブブラコン設定ぃぃっ。)
……さすがはこけし姉さん!
それより、こけしちゃんが執筆を張り切れば張り切るほど、現実のふたりの関係が険悪になってゆく気がするのは、ただの気のせいだろうか?
正しい流れとしては、顔面流血(ホラー)→拷問(スプラッタ)
…それほどでもないか。
必汰と洋子は仕事の関係で未だ到着していないようだったが、パーティーはけっこうな大人数で、皆さん弟によじ登っている主役にちょっと呆れつつも盛り上がってはいたのでした。
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