※※第139話:Make Love(&Philtrum).76
…――――不完全なんだ。
隠し通すか?
髄まで愛でるか?
『嗚呼、堕ちれば全て美し。』
やってまいりましたは、
日曜日!
この日は、ナナと薔&ハリーと葛篭先生による、“鼻おじさんのコーディネートダブルデート”の日でございます!
「OH〜!おふたりが一番に着いておりマシタカ〜!さすがは夫婦デスネ〜!ヒューヒュー!」
「ハハハハハハリーさん!?」
待ち合わせ場所に、さんにんは揃った模様だ。
ちなみにナナは笑っているわけではございません。
(えっ!?あのふたりもう夫婦なんだ!なんか、すげっ!)
ちゃっかり聞こえてしまった通行人のかたがたは、さりげなくびっくり仰天。
「あっ!これもわたしじゃないですか!しかも薔はちっちゃくしか写ってませんよ!?」
「俺に対してちっせえっつうな。」
「ぎょへえええ!」
ハリーは合流したのだけど、ナナと薔はもはやふたりっきりワールド全開。
彼の携帯電話を眺めながらね。
そんでもって、
「わっ、わたしのも見ますか!?昨日とっても可愛らしい女の子の薔をっ、いっぱい撮らせていただいたんで!」
「その言い方やめろ。」
「とってもキレイで美人な女性の、にしますか!?」
「あ?」
ナナは興奮しだす。
「HAHAHA〜!いつ見ても仲良しサンデスネ〜!」
存在忘れられてる感が否めないハリーではあるが、陽気に高らかに笑っている。
「ひぎゃあ!これか〜わいいーっ!」
「おい、でけぇ声出すな。」
「ムリです!」
「あ?」
コレクションに魅入るナナの鼻息が荒々しくなってきたところで、
「ごめんなさい、待ったかしら?」
息をきらす葛篭先生が、いよいよ到着!
「実穂子サン、絶景デース!」
「……プッ、絶景ですか?」
…ハリーさんよ、褒め方それでいいのか?
葛篭先生が笑っているから、いいのか。
「あのおふたり、仲良しですね…」
「俺たちもな、」
ホロリとするナナのあたまを、笑いながら薔がやさしく撫でておった。
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