※※第137話:Make Love(&Kissy).74
…――――罪深きは、最愛。
視線は、釘付けか。
心は、鷲掴みか。
独占欲は歪みゆく、
それでも真っ直ぐ堕ちてゆく。
「くっ、暮中っ…!」
数学の授業を開始する手前、醐留権は感動の眼鏡越しに視線を凝らしてみた。
「ついにそのセーターを、着てくれたのか!」
そうなんです、本日初めて、例のセーターを薔が着て来たようでして、
「やはり、似合っているじゃないか!男前だよ、いつもだが!」
醐留権の感動は、冷めやらない。
「………………。」
ところが、何も言わない薔は視線にて、何かを副担に命じております。
………………おや?
何と言うかこう、以前にも増して、雰囲気が険悪になったような…
それに気づけたゾーラ先生は、偉い!
のか?
(こっ、ここっ、こけしちゃん…!?)
隣の席にて、ナナは気が気ではない。
(あぁぁぁ、口説いてるぅぅぅ…)
花園間近もいいとこのこけしちゃんの脳内では、なぜセーターはプレゼントされたのか?の時点からすでに妄想へと変換されております。
「もしや、何か不都合でもあったのかい?」
醐留権は、原因は不透明にしてもとにかく和解しようとし、歩み寄った。
すると、
「…おい、」
雰囲気がそらとてつもなく険しいまんま、薔は言いました。
「後ろ見てみろ。」
※けっこうおなじみとなりました流れですので、一部お久しぶりの割愛とさせていただきます!
……あれ?授業は?もしかして、自習?
生徒たちは、喜んでいいものなのかどうかと、キョトン。
「…脱いじまうか、」
「脱ぐんですかぁ!?」
とたんにナナと薔は、イチャつき始めた。
……うわぁ、“脱ぐ”っていう単語だけでもうR指定だぁ。
クラスメートの皆さんは、ちゃっかりそう悟っていた。
じつに、和やかでございますね。
しかし、授業は早いとこ再開してほしいよね!
………………たぶん。
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