※※第134話:Make Love(+Sex aid).72
「花子ちゃんは何か作れねぇの?」
「ワン!(噛むわよ?)」
見ようによっては、ふたりはリビングにて戯れております。
「怒んないでよ、冗談、」
屡薇は楽しそうに、手を伸ばすと、
「今のうちに花子ちゃんを、味方につけとくかな、」
花子のあたまを撫で、確かめました。
「ねぇ、花子ちゃんのご主人様、女になっても殺傷能力あるほどの美人になると思わね?」
“思うっ♪けどあなた、アーティストのわりには言葉のチョイスがどうもね、”
花子は尻尾を振る。
「俺は諦めねぇよ、何としてでも出てもらう。」
屡薇はニヤリと、笑った。
グゥ…
「にしても腹減った。」
「ワン(自分で作りなさいよ)!」
…果たして、花子を味方にはつけられたのだろうか!?
――――――――…
「ゾーラ先生ぇ、」
「なんだい?」
帰りはタクシーでした。
その車内にてこけしちゃんは、ニコニコと尋ねてみたのです。
「どうしてぇ、あたしがあそこにいること知ってたのぉぉ?気まぐれにお散歩にぃ、出かけただけのにぃぃ。」
と。
「あぁ、それなんだが、」
醐留権は、真面目に返した。
「じつは、何か黄色いものが、私を呼び寄せるかのようにキラリと光ったのだよ。」
「えぇぇ?」
「それで気になって近づいてみると、偶然、桜葉を見つけたんだ。」
こけしちゃんは、キョトンとしたあと、
「エヘヘぇ、黄色く光るものかぁぁ。」
にっこりと微笑んだ。
「猫の目かなぁぁ?」
「いや、まさか…」
「まさかよねぇぇ。」
タクシーの運ちゃんにはお構いなしに、ラブラブのこけしちゃんとゾーラ先生なのでありました。
「ゲイちゃぁん、悠香が帰って来ないよぉぉ?」
パパうえはあれから、一睡もしておりません。
そんなパパうえをソファへ、座らせまいとするゲイちゃんは、
“めでたしめでたしだな、”
優雅に欠伸なんかをしちゃったのでした。
…――――こけ誕もめでたく、愛が深まりましたところで、
どうなる?
プロモーションビデオの行方。
…――Attach a bride to an ally!
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