※※第93話:Make Love(&Suck).39









 …――I'd like to bind you with my chain.


 『その媚薬に溺れたい。』











 水曜日が、やってきたよ!



 この日、空は雨模様。
 予想は見事に、的中か。



 「………………。」

 朝から、とある高校の生徒たちは、学校の並木を見上げ、戸惑いの色を浮かべたりしていた。


 ………………え?
 なんか、木の枝がヅラ被ってんだけど……



 (誰のだよ…)

 落とし物として届けられるような高さではなかったため、皆さんは呆れながらも各自通り過ぎてゆきました。



 …うん、持ち主はイケメン教師のお兄さんだけど、

 放り投げたのは、学園のアイドルだったりするよ!













 ――――――――…

 (眠い……)

 昨夜遅くまで要ズ兄との会食を強いられていた羚亜は、朝からウトウトしておりました。



 「羚亜くん、何だか、眠そうですね…」
 「いつもこんなんじゃねーか?」
 「ぇえ!?」

 おそらく朝方まで何ラウンドかしちゃってたナナと薔は、朝からまさしく絶好調でございます。




 そんななか、

 「あれ?こけしちゃん、なんだか様子がおかしいよ?」

 と、机にてどうやら真剣に悩んでいる様子の親友へ、ナナは歩み寄っていった。






 「こけしちゃん、どうしたの?」
 「あぁぁ、ナナちゃぁん、あたしねぇ、どうぅやらスランプなのぉぉ。」

 …………すらんぷ?



 後で辞書を引いてみようと、懸命に脳内で繰り返すナナに向かって、

 「そぉぉだぁ、ナナちゃぁん、良かったらこの雑誌、読むぅ?」

 おっとりとこけしちゃんは、とあるファッション雑誌を差し出してきた。



 「ありがとう、こけしちゃん!うん!読む!」
 「エヘヘぇ、降りてくるまでちょぉっと待っててねぇぇ。」

 喜び勇んでナナが雑誌を手にすると、こけしちゃんは再び、ニコニコにおいて真剣に悩み始めたのだった。

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