※※第92話:Make Love(&Drop).38
熱を出そうともやはりセックスは欠かせないのか、抜いてから熱を計ってみますと…、
「36.5度…」
おそろしいくらいに、普段通りだった。
「やっぱり、出るはずのない熱を出しても、薔とエッチすれば治るんですね!」
上だけ着て、はしゃぐナナ。
「………………、」
とりあえず下だけ履いていた薔は一瞬、無言になったのだけど、
ギシッ…
「あと2ラウンドはいけそうだな、」
「ぎゃあ――――っ!!」
ナナはベッドに再び、押し倒されちゃいました。
……学校あるけど、更に2ラウンドいっちゃうんだね!?
――――――――…
(眠い……)
夜中です。
こちらは、醐留権邸でございます。
欠伸を堪える羚亜は、醐留権とその兄と、三人でやたら大きなテーブルを囲んでいた。
「登紀子叔母さんとこの羚亜くん、遠慮せずにいっぱい食べてくれたまえ!」
「あ、はぁ…」
眠気のあまり羚亜は気のない返事で、頭だけ寒そうな奏は高らかに笑っております。
しかも、
「兄さん、そろそろ寝てもいいですか?」
「あっ!そうだ!要!」
弟の質問を性分で流し、奏は大声でこんなことを明かしてきたのだ。
「お兄ちゃんは日曜日に、結婚するんだぞ!?」
ってね。
「へぇ、それはおめでとうございます。」
醐留権は、まるで棒読み。
(うわぁ、要さん、反応薄っ、)
眠くはあるが、ちゃんとこころで羚亜がツッコんだ。
「もちろん、要にも出席してもらうからな!」
「無理です、プラネタリウムなんで、」
……ええーっ!?
「要っ!お兄ちゃんの結婚式とプラネタリウム、どっちが大事なんだ!?」
「愚問ですね、プラネタリウムに決まってます。」
驚愕の兄の質問に対し、弟は眼鏡をくいっとさせ、キリリと答えた。
「じゃあお兄ちゃん、権力を駆使して式は土曜日にしてもらっちゃう!」
「は?」
そんなとこでムリヤリ権力使うなよ、と言いたいところであるが、弟の険しさなど何のその、奏は野太い声で笑っておりまして。
「そこでな、要にお願いがあるんだ!」
笑いながら奏は、つづけたのでした。
「お兄ちゃんは昔から、賑やかなのが好きだろう?だからな、登紀子叔母さんとこの羚亜くんはもちろん、要のクラスの生徒さんを何人か、連れてきてほしいのだよ!」
「嫌ですね。」
醐留権はきっぱり即答でも、はしゃぐ兄はまったく聞いておらず。
「………………、」
羚亜は椅子に座ったまんま、奏の大声はそっちのけでウトウトしておったんだとさ。
……お話の限りですと、ゾーラ先生のお兄さんは、もしかするとトラブルメーカー?
このぶんでいくと、結婚式が、
無事に済まされるとは到底思えませんね!
…――Please expect a disturbance!
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