※※第123話:Make Love(&Petting).64











 溺れさせて、もっと、

 真っ直ぐに歪んだ愛で。













 ――――――…

 「はぁぁぁ、本モノはスゴすぎたぁぁぁ…」

 醐留権邸にて、おでこに熱冷まシートを貼ったこけしちゃんは、火照った顔でこの上なくうっとりと言いました。


 「桜葉、本当に病院へは行かなくて、大丈夫なのか?」
 未だ心配そうに、尋ねる醐留権ですが、

 「大丈夫ぅぅ、本モノがスゴすぎただけだからぁぁぁ…」

 それはそれはぽわわんと、こけしちゃんは返します。




 ……先ほどからそれしか、言ってないんだが…

 やはり無理矢理にでも病院へ連れて行くべきかと、醐留権が思案した瞬間、

 「それにしてもぉぉ、」

 ようやくこけしちゃんが、それ以外っぽいことを口にしたのだ。

 「あぁんなとこで部活サボっててぇぇ、ほんとぉぉに悦かったのぉぉぉ…」

 と。




 (そ、そう言えば、桜葉もか。)

 彼女にはめっきり甘い、ゾーラ先生でございます。


 ※よくよく考えてみると、ひとりだけ影の支配者もいるけどね。






 「ゾーラ先生ぇ、ずぅっと落ち着かないのはぁぁ、気になるからぁぁ?」
 「当たり前じゃないか、桜葉。」
 おそらく互いに、対象が違って通じておる。


 「じゃあぁぁ、構わず行ってぇぇ?」
 「無理矢理にでも、いいんだね?」
 おそらく互いに、目的地が違って通じております。




 よって、

 ……無理矢理ぃぃっ?

 こけしちゃん、再び大興奮!






 ふらぁぁっ…

 「さ、桜葉!?」







 「大丈夫じゃないじゃないか!こうなったら、何が何でも連れて行くよ!」
 「えぇぇ…、見ててもいいのぉぉ…?」
 「私のハンドル捌きをかい!?」


 …――――いつになったら、通じるの!








 夢、というか妄想でいつも描いているカップリングが現実にいきなりきちゃったので(実際にはカップリングじゃないけど)、

 こけしちゃんにはやはり、刺激が強すぎたようだ。

[ 474/538 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る