※※第98話:Make Love(&Knife).44









 『堕落しよう、

  闇と共に、委ねて。』












 それではまいりましょうか、

 火曜日の、朝です!







 『……長野県北部では、32センチの積雪となり……』

 朝から花子は凛として、食い入るようにテレビのニュースを観ておりました。
 12月に入って間もなくだというのに、雪が積もった地域がいくつかあったようで。



 「あああ!ほんと朝から、薔の作ったご飯は美味しいです!」
 「おい、もっと落ち着いて食えよ、」
 ニュースにはいっさい目もくれていないナナと薔は、キッチンにて、いつも通りラブラブしております。






 ……あの〜、ラヴコメだからラブラブ第一かもだけど、このニュースのちにすんごくネックになるんだよねぇ。

 花子だけは何かを、悟っていたみたいですが。





 そんなこんなで、引き続きラブラブとふたりは登校していったのでした。
















 ――――――――…

 「醐留権先生、朝から何だか嬉しそうですなぁ。」
 「ええ、まあ、」

 職員室にて、醐留権へと明るい声を掛けてきたのは、熱血指導ならおれに任せろ的存在こと、千国先生でした。

 「その意気ですぞ!醐留権先生!クラスの生徒たちはあなたの男気に、熱く魂が燃え上がりますぞ!」
 「しかし千国先生、私はまだ副担で、担任は吉川先生なのですが、」
 バシバシと背中を叩かれているため、眼鏡がふっ飛ばないよう押さえながらキリリと醐留権が諭すと、

 「はっはっは!何をおっしゃる!吉川先生より遥かに、醐留権先生のが貫禄ありますでしょう!」

 豪快に笑いながら、千国先生は自身の机へと向かって行ったんだとさ。





 「……とりあえず、ご自身の時代にいったん戻っていただきたい。」
 眼鏡をくいっとさせ、やや呆れ気味の醐留権はこんなことを呟いた。



 「もう引退して、醐留権先生に全てお任せしようかな!」
 腕を組む吉川は、ただ有り余る元気さでワハハと笑っておった。

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