※※第96話:Make Love(+Planetarium).42







 激しくセックスの後は、お風呂でも甘く戯れを……

 「…やっ、そこ、また濡れちゃいますってぇ…っ、」
 「濡れりゃいいだろ、ほら、」

 …もしや、戯れ程度では済まされないのか?














 こんな、ラブラブ(エロエロ?)全開のふたりの部屋を、静かに見上げているひとりの人物がおりました。



 「止めた煙草に、火をつけちまったな、」


 白い息だけではなく、煙が夜空へ舞い上がる。

 「まぁ、ちっとも美味くねぇが、」



 夕月は、煙草を咥えたまま歩き出した。


 「誰も嘘をついてねえんだ、そこがまた、厄介だなぁ、おい、」









 青みがかった下弦の月が、静かに夜道を照らしだす。


 優雅に歩いてゆく、その後ろ姿を見送ると、


 「一番面倒なのが、帰ってきちゃったな、」

 男は、笑った。



 「予定が狂ったけど…、大丈夫、まだ犯りはしないから。」














 「……誰だ?」

 夕月は、振り向いた。
 そこにはただぼうっと、浮かび上がる、暗闇が。


 再び歩きだした夕月へと、

 「鎧さま、わかりました、」

 携帯灰皿を手にした、如月が駆け寄る。



 「で?」
 夕月はそれを、如月から受け取り、

 「世新 竜紀の家族は、全員、行方不明になっております。」

 その事実は、寒空の下、明かされたのだった。







 「ほーらね、」
 誰も見ていないところで、その“誰か”は、微笑んだ。













 …――――――光。


 そんなのとうの昔に、煩わしくって葬ってるさ。












    …――――shut down!

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