禁じられた恋


太陽の光が痛くて 眩しく足を速めるあなた
今はこの閉ざした部屋で 白い壁に愛しい人を描く
声を聞くことさえできない ふたり
まるであなたが汚れてしまうようで ただ遠くで見ていた


運命は不思議と決められ 知らないうちに染められている
舞い上がる儚い想い 時計の針巻き戻してゆく
線を引き渡した世界で ふたり
異なる時を悲劇に変えて 密かなる恋を

今は ゆらゆら 夢に揺られていたい
幻のあなた そっと寄り添って
だから ひらひら 花を散りばめた
この部屋のなかで いつまでも 眠らせていて


月が見え隠れする空
原色の憂いが 廻る聖なる白夜
狂おしいほど魅せられて
わたしの想い描く あなたさえ壊しそう


風が あなたを 連れ去ってゆくけど
止まらない幻想 そっと瞳を閉じて
だから もう 二度と起こさないで
懐かしい香り わたしを包むように

今は ゆらゆら 夢に揺られていたい
幻のあなた そっと寄り添って
だから ひらひら 花を散りばめた
この部屋のなかで いつまでも 眠らせていて


太陽の光が痛い あなたには届かない

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