Stars


ふたりそっと 見上げた冬の夜空
「あなたと見る星はきれいね」
なんて 君の白い息は星たちに近づいて

繋いだ手はあたたかかった
それなのに


微かに響く君の声さえも
いつかは薄れてゆくのかな


夢の中で 「会えたね」と
握りしめた手は冷たくて
君は
泣きそうな顔して笑った


さよなら 君の待つ空に
手を伸ばして
想いをすべて伝えたなら
さよなら もうこわくないよ
君も僕も
この胸はずっと痛みつづけようとも


ねぇ いつでもそばに
いてほしかったよ 君に
いつでもそばに
いたかった
二度と叶わないけど


心に描くだけじゃ
届かないんだ
この指では 触れられない


君だけだった
僕は ただ
君だけを愛してたんだ


さよなら 君の待つ空を
ひとり見上げて
悴む手は誰かを探しているの?
さよなら それでも夜明けは
やってくるよね
眩しい日の光が降り注ぐようにと


今でも 君が笑うから
僕は泣くよ
そんなことじゃ駄目だよと叱って
ありがとう たくさんの人がいる世界で
ただひとり 君よ
僕と出逢ってくれて


さよなら 君の待つ空に
手を伸ばして
想いをすべて伝えたなら
さよなら もうこわくないよ
君も僕も
この胸はずっと痛みつづけようとも


さいごに

「愛してる」と ただ 瞳を見て
伝えることも 抱きしめることも
キスもできなくて



ごめんね

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