第五話:焼き付く咎
一度深く入れられた兄のゆびは、より敏感な部分を執拗に擦ってから、蜜をかき出し浅くへと伝った。
「……っん、ん…っ」
舌も深くへと入れられ、呼吸すらも吸い上げるようにして上顎へと這う。
また愛液が肌を伝い落ちる動きに、梨由の躰はふるえる。
ゆびで挟まれ、摩擦を与えられる乳首はどこまでも熱くなる。
不意に抜き差しを速められ、底なし沼へと落ちながら高く昇り詰めるような感覚に襲われた梨由は、躰を反らしつまさきを伸ばし、達してしまった。
「んっっ!」
するとすぐに、くちびるを離されながらゆびは抜かれていった。
兄のゆびが抜かれるのを待ちきれずにいたかのように、一度大きく吹いた潮がシーツへと染みてゆく。
「潮吹いたから、びっくりした?」
射し込む明かりに照らされた妹の蜜を、わざと目の前で見せつけ、笑った武瑠はゆっくりと舌で舐め取る。
「そう言えば、梨由は知らないだろうけど、小さい頃ね、梨由がお漏らししちゃって泣いてるのを見る度に、もっと泣かせてやりたいな……って、お兄ちゃんは思ってたんだよ?」
その視線は梨由の、朧げな視線を引き寄せる。
「は……」
乱れた息を上げながら、梨由は躰中を切なく締め付けられるようだった。
いつも、大丈夫だと優しく慰めてくれた兄が、まさかそんなことを思っていたとは……
その当時に聞いていたなら傷ついたかもしれないが、今はただただ、嬉しいだけだ。
「先に好きになったのは、どっちなんだろうね」
先ほどまでの熱烈な愛撫とは対照的に、とても艶かしく丁寧に武瑠は愛液を舐めてから、
「にしても、梨由の蜜って甘いね?お兄ちゃんのも気持ちよくして欲しいな」
ベルトへと手を掛け、外しながら、圧倒的な妖しさで妹を誘った。
「ほら、ここまでおいでよ……」
無論、梨由にとっては何から何までが初めての行為であった。
しかし、躊躇うことは赦されず、素直に従うしかなくなっている。
ズッ……とシーツを四つん這いになって、兄へと引き込まれてゆく。
露にされた男らしいその様に、ゆびで乱された中は昂り狭まった。
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