エクスタシー



 あなたになら、殺されても構わない――――。

 美しい僕を、焼き付けて。
 ルージュを口にした僕は、あなたの愛を身に纏う。
 「はぁ………はぁ………」
 吐息が肌に触れて、狂いそうなほど残酷で。
 あなたはいつも、僕を狙っている。
 「……あ…………」
 フラッシュがたかれ、焦がれたカラダが熱い。
 「ゃ………あ…………」
 あなたに見つめられると、僕は僕を保てない。だからもっと、激しく愛して―――――。
 「ん…………」
 唇が触れ合って、舌先を絡ませた。
 「んっ…………」
 白い壁に身を寄せて、僕たちは深いキスを交わす。
 「はっ…………あ………」
 舌が首筋を這い、僕は声を漏らした。艶めかしい舌の動きが、肌を敏感にさせる。
 「やぁっ…………ん………あっ………ああ………」
 これ以上は、ダメ。
 抑制しようとした僕は、床に押し倒された。
 「ああっ…………」
 胸元を愛撫され、高い声を上げる。
 あなたはいつも、そうやって僕を弄ぶね。
 「殺してもいい?」
 僕にまたがった最愛の人が、皮肉な笑みで問いかけた。
 許されるのなら―――、
 「殺して………」
 僕は囁く。
 「殺して、ずっと、愛しつづけて…………」
 そう、永遠に。
 「それでいい………」
 あなたは、満足げに呟いた。
 「あああっ…………!」
 そして、乳首に爪を立てる。
 僕は悶えた。このまま逝ってしまえるのなら、何という幸せ。
 「愛してるよ………」
 あなたは囁き、僕の胸元を舐める。まるでナイフのように、舌は肌を切り裂いていった。
 「早くっ…………!シて…………もう…………イかせて…………」
 我慢できなくなり、僕は懇願する。あなたの背中に爪を立てて、消えない痕を遺して。
 「すぐに、イかせてやるよ……………」
 僕は股を、開かれた。
 こんな恥ずかしい格好、あなたの前でしか出来ないよ―――――、
 「ゃあああっ…………!」
 僕の性器に、吸い付くあなた。美しすぎる、下品な行為を貪る。
 「あっ…………あっ………あ、ああっ………!」
 喘ぐ自分がもう一人の自分のようで、恐ろしいほど気持ちいい。
 「ダメっ…………ぁあんっ……………」
 僕は目を覆った。
 このままじゃ、あなたのなかに放ってしまう―――――。
 抑えようとはしてみても、襲い来る吐精感。
 「ああぁっ…………ゃ………やぁっ…………」
 そして、僕は放った。
 あなたのカオを、汚してしまった。
 「はぁ……はぁ……ごめん…………」
 謝る僕にはお構いなしに、あなたは自身の性器を挿入してきた。
 「………っ…………!?」
 硬くなっていたから、解き放ちたいのだろう。
 「あああっ………!」
 痛みに叫んだが、激しく突き立てられ、どうすることもできない。
 「んんんっ…………あっ…………ああっ…………」
 やがて痛みは、快感へと変わった。
 これは、女性とは出来ない刺激なのか―――――。
 「あっ……………あぁんっ……………」
 そして僕は、何度でも殺される。
 カラダが感じる、あなたの深い漆黒の愛。


 殺された時の数だけ、美しくなれるから――――――、
 殺された僕は、永遠に愛されることだろう。

 待っていてね。

 あなたのために、生まれ変わるから。

 だからずっと、僕だけを愛しつづけて。
 
 僕もずっとあなただけを、愛しつづける、から―――――――。




  Feeling for Beauty………


※Image for……
LUNA SEA 「ANUBIS」

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