アダムの楽園













 白くてなめらかな肌、腰が細くて繊細で華奢なからだつき、生まれ持った甘い匂い、それに一目でわかる綺麗な顔。
 こんなんだから、よく電車のなかで痴漢に遭った。

 まだ高校一年生の、俺、男だけど。







 今日も後ろからねっとりと、躰を触られている。
 制服のなかでも、うえからも、胸を揉みしだかれる。
 女のように膨らみはないのに何が楽しいのかって考えながら、快感はしっかりと迫り来た。

 「は……はぁ……」
 思わず吐息が漏れる、何度も何度も胸を弄られてきたせいですごく感じるようになってしまった。
 ムニムニとさすられると、セーターの下にある乳首の形がいやらしく浮き出た。
 小さいなりにぷっくりと膨れている、ブラジャーなんかつけていないからちょっとセーターを引っ張られただけで形が浮き上がって見えてしまう。

 ぴっくんと反応したぺニスが硬くなって、男の手でゆっくりとそっちも撫でられた。
 少し身を捩った俺は痴漢のスーツから煙草と香水の匂いを感じ取った、意外なことに、不快な匂いではない。


 「ん…っ」
 制服ごとぺニスをぐしゅっと掴まれて、我慢ができなくなる。
 痴漢にも様々な野郎がいて、触るだけで済ませるやつもいればきっちり挿入して中に出していくやつまでいる。
 女だったらこんなとき、躊躇いつつも制止のために痴漢だと訴え出ることができるのかな?――なんてことを考えながら、俺はしばらく痴漢の好きなようにされていた。




 「……君、すごく綺麗で可愛いね?」
 ふと、痴漢が声を掛けてきた。
 低くて、背筋が痺れるようなかっこいい声。
 視線を向けてみると、痴漢なんてしそうにもない紳士的なおじさんだった。
 紳士的な雰囲気のなかに男の色気が隠されていて、無性にぞくぞくした。

 ひくひくするぺニスも、ぴくぴくする乳首も、おじさんへの興味ではち切れそうになっている。
 こんなこと初めてだった、痴漢に対して「もっとして欲しい」なんて思うことは。

 「良かったらこのあと、おじさんの家に来ない?」
 躰をさすりながら、誘いの言葉を掛けられる。
 いけないとは、わかっているんだけど、こんなことまともな人間のすることじゃないって、必死になって言い聞かせていたんだけど。

 おじさんにもっとえっちなことをして欲しくて、俺は頷いてしまった。
 どんなことをしてもらえるのか、どうされてしまうのか、知りたくてどうしても拒めなかった。

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