※※第54話:Make Love!(in Classroom).11









 いつも、化学の先生こと横科は、ふたりに、口を酸っぱくして言っておりました。

 『学校でそれ(←キス)以上はダメだよ!?』

 ってね。


 横科の願いは虚しくか、はたまたキメゼリフがおじゃんか、ナナと薔は学校、しかも自分たちの教室にて、その一線を今まさに越えようとしちゃっております!











 きゅっ

 薔が巻きつけたナナの制服のリボンは、見事に両目を隠してしまった。

 真っ暗ではないが、瞳を閉じた世界しか見えない、しかしあまりにも確かな感覚がある。
 ちなみにふたりはずっと椅子の上、対面座位であります。



 「なにも…、見えないの、ですが…、」
 「当たり前だ。」
 彼のネクタイで両手を縛られ、自身のリボンで目隠しをされたナナは、おもむろに口を開いた。
 お盆も過ぎたため、教室はそれほど暑くはない。

 ただ、熱く微かな、ふたりの息づかいだけが響いているみたいで。


 (どうしよう…?この状態は、いつぞやの逆では、ないでしょうか?)
 などと思っているナナの“いつぞや”とは、もちろん懐かしのラブホにて、のことですな。




 「ナナ、」
 「は、はいぃ…っ、」
 突然声を掛けられると、表情を窺えないこともあり、かなりドキドキしてしまう。


 次の瞬間、

 ふわっ

 体温といい匂いが、これでもかというほどの急接近をして、

 ぐい

 あたまに片手がまわされ、近づけられ、

 「なんも見えねーなら、」

 ナナの耳元、薔は囁いた。


 「おまえは視覚以外で、俺を感じてろ。」






 「はい……?」
 目隠しをされたまんま、ナナはキョトンとする。

 「どこでも感じれんだろ?」
 そのまま薔は、囁きをつづけて、

 「はぁ――――――…」

 彼女の耳元へ、かなりエロティックな吐息を吹きかけた。


 「んあぁ…っ、」
 それだけでゾクゾクとカラダはふるえ上がり、火照りだす。



 そして、

 ッッ―――――――…

 そうっと肌をなぞるみたいに、繊細なゆびさきが、ナナの首筋を伝っていった。

 「あ…っ、ぁっ、」
 更なるふるえが、全身を支配してゆく。



 「なぁ、」

 ふと、囁きかけた薔の声、きっとくちびるが触れ合う距離で、零れ落ちている。


 「は…い……、」
 もはや、意識がクラクラとしてしまうなか、ナナが吐息混じりに返事をすると、

 「今おまえが、最も俺を感じてんのは、どこだ?」

 ほんとうに、ちょっとくちびるが触れて、薔は問いかけた。



 「え…と、あの…、」
 「ん?」
 もじもじしながらも、ナナは開かれたあしの間、恥ずかしいほどに濡れたソコへと縛られた両手を当て、応える。

 「こ…、ここです…、なんか…、おかしく、なりそ…、」



 「よく出来たな、そのまま腕下ろしてろよ?」
 「え………?」
 何事かとも思ったが、ナナは素直に従った。


 すると、

 プツ…

 どうやら、上から、ブラウスのボタンが外され出したようである。


 「ぁ…っ、あのっ、」
 「じっとしてろ。」
 抵抗は微々たるもので、すぐにほとんどのボタンが外されてしまった。


 シュッ――――――…

 左右に分かれたブラウスは、肩を滑り落ちて、

 クイ――――…

 そんでもって、ブラの真ん中に薔が人差し指を入れて引っ張ると、ナナの両胸が寄せる形で露わになっちゃったんです!



 「キツくねぇか?」
 とか訊きながらも、右手の親指と中指を伸ばし、薔は両乳首を転がしている。

 「ゃ…っ、あ、そんなに…っ、ゆびで…、ぁっ、あ、あ…っ、」
 それほど強い刺激ではないのだが、ナナのカラダはビクビクッと跳ね上がる。


 「ぎゅうぎゅうに寄せてるせいで、いつにも増して敏感なのか?まぁ、いつもやたら敏感だが、」
 「やぁん…っ、」
 強く摘まれたりしたら、堪ったものではない。


 そうこうしてると、乳首への刺激が強まって、下半身はみるみるうちに溢れ出してきた。



 「おまえので、俺の制服も色変わってんぞ?」
 「え…っ?」
 まぁ、ナナには見えないわけなのだが、滑るほど濡れているのは確かである。

 「なら…、やめますか…?あ…っん、」
 提案してみたものの、止めるどころか更に弄ばれ出した。


 「なに言ってんだ?」
 赤くなった乳首を、ゆびさきで押し上げるようにして、

 「止まるわけねーだろ?濡らしてぇなら、いくらでも濡らせ。」

 そう、笑って告げてから、

 チュ――――――…

 薔はナナのくちびるを、ちょっと強引なキスで塞いだ。

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