※※第51話:Make Love(+Shower!).10
時間を遡ってからの、醐留権邸を描き出します。
ガチャ―――――――…
あまりの豪邸に言葉を失う羚亜を連れ、醐留権が玄関のドアを開けると…、
「おかえりなさい、要。」
いきなり上がり口には、母・洋子が仁王立ちしていた。
「お母さん、寝ていてください。寝不足は老化にも繋がりますよ?」
「お母さんはね、肌年齢まだ26歳なの!」
憤慨する要母は、お肌が若々しいご様子である。
「それより要っ!その子はどなた?悠香ちゃんはどうしたの!?」
「夜が明けたら話します。とりあえず寝てください。」
ネグリジェ姿の母を振り切り、醐留権は階段へと向かっていった。
洋子を通り過ぎるとき、羚亜は会釈をしていったので、
「あら、よく見ると、なかなかの美少年だわ。」
洋子は感心して、呟いたんだとさ。
―――――――――…
「この部屋は、自由に使ってくれていい。」
「ありがとう…、要さん。」
羚亜はちゃんとお風呂にも入って、今ではベッドに入っており、少しブカブカだが醐留権の服やなんかを借りていた。
「そうだ、羚亜、」
このとき醐留権は、ある提案をした。
「良かったら、私のいる学校へ通わないかい?」
とね。
「え…………?」
羚亜はキョトンとしたが、
「ここにいるばかりでは退屈なだけだ、私に任せなさい。学費のことは、気にしなくていい。」
胸を張って醐留権は、極力明るく言ったんです。
すると、
「要さんの学校には、もしかして、薔くんもいるの?」
と、確認してきたんですな、羚亜は。
「あぁ。彼は、私が受け持つクラスにいるよ。」
明るいまま、醐留権が答えると…、
「……………行く。」
なんだか頬を赤らめて、羚亜はぽつりと言った。
(おや……?)
ちょっともやっとした醐留権へ向かって、
「ありがとう、要さん、一緒に寝てくれない?」
見上げる羚亜は、こんなことを言ってきた。
「俺、ずっと独りぼっちだったから、誰かの温もりがほしいんだ。」
切なげに見つめる、羚亜だったので、
「あ、あぁ、いいとも。そういうことなら、任せなさい。」
受け入れた醐留権は、同じベッドに入ったのだった。
「あったかい…、」
とか、しがみついて羚亜が呟くので、複雑な心境の醐留権は、とりあえずビッグバンまで遡ってからの歴史を追い求めていた。
ファイトだよ、醐留権先生!
あなたはおっとりニコニコ女神こと、こけしちゃんの、ゾーラ先生であるよ!
夏休み明け、学校には、新たなる仲間が加わっちゃうみたいです!
ちなみに新学期スタートまでは、あと一桁になっちゃってるんです!
…――A new school term is the premonition of complicated love?
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