※※第83話:Make Love(+Play!).30
演劇部の皆さんは、何となく悟っていたため、特典映像にも特にならないような特典映像を撮ったりして、楽しく時間を潰したのです。
「この度は本当に、ありがとうございました!」
最終的には更衣室にてセックスしていたふたりに、部員の皆さんは心からの感謝を述べた。
「なにか御礼を、したいんですが…」
「そんなん必要ねぇよ、俺たちもなんだかんだで、楽しんでたしな、」
「えええ!?お優しい!」
感心ひとしきりの皆さんでございますが、もしかしたら、“楽しんで”ではなくて“愉しんで”なのかもしれませんよ?
ちなみに、ウィッグは返しましたが、衣装はあれやこれが付着したため有無を言わせずに預かって、クリーニングへ出すことにしたのです。
ナナはウィッグ(クロワッサンじゃないほうね)を、かなり欲しがっておりましたが。
「よ〜し、みんな!13時もちょっと過ぎたし、お昼食べて帰ろう!」
「やったあ!ヨコシマ、ゴチになりまーす!」
「そんなこと一言も、言ってないよ―――――――っ!?」
よーっ、ょーっ…(※初!ヨコシマズエコー)
これにて、めでたしめでたし!
劇のほうはね。
―――――――…
何の前触れもなく、それは訪れた。
「要坊っちゃん、大変です!」
「どうしたんだ?」
午後はデートの約束をしております醐留権は、出掛けようとしたところを、使用人の女性に捕まえられたのです。
「あの…、これが、羚亜さんのお部屋に…」
これから掃除に取りかかろうとしたのであろう、使用人は困惑気味に、一枚の紙を醐留権へと差し出した。
眼鏡をくいっとさせた醐留権は、目を疑った。
そこには、
“今までありがとうございました。
羚亜”
とだけ、走り書きのように残されていたのだ。
「…………羚亜?」
嫌な予感がした醐留権は、彼の名前を口にすると、
デートを無断ですっぽかすわけにもいきませんので、急いでこけしちゃんに電話を掛けたのでした。
…―――He went to where?
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