※※第78話:Make Love(so Mysterious).27








 やはりセックスは濃厚でしたので、遅めの夕食と相成ったのです。


 「ああっ!」
 薔の作った料理を美味しく戴きながら、やはりキスマークをかなり付けられたナナは、あることを思い出していた。


 「どーした?」
 いきなり大声を上げた彼女に、少しも動じておりません薔へと、

 「あ、あのっ、」

 ナナはお願いしたのでした。


 「土曜日、こけしちゃんのちからになってあげてください!」

 と。








 「別に構わねーが、ちゃんと説明しろよ?」
 「お任せください!」

 ナナは意気込んで説明を始めたのですが、あまりちゃんとした説明になってはいなかった。
 けど、薔はちゃんと理解して聞いておった。





 “今年の冬は暖冬よね、”

 一足先にご飯を済ませておりました花子は、すやすやと眠っておりました。









 後片付けはナナが済ませてから、ふたり一緒にお風呂へ入ったのでした。

 めでたしめでたし。
 としておこう。





















 ―――――――…

 真夜中。

 月の光は仄かに差し込む。





 「……………、」

 ようやく眠りに就いたナナの隣、薔は静かに瞳を開けた。








 「なぁ、」

 そして彼は起こさないように、ナナへと静かに語りかけた。

 「俺は今まで、それが一番平気だったんだよ、」









 「おまえはどこまで、俺の心を乱す気だ?」

 ツ―――…

 覗き込み、ナナの首筋へそうっと、薔がゆびを這わせると、


 「ん…………」


 微かにぴくんとして、彼女は甘く声を漏らした。





 「俺は噛まなくとも、おまえを敏感にできてるじゃねーか、」

 ゆびはゆっくり、離されてゆく。







 代わりに、音も立てずキスを落とすと、


 「…離さねえ。」


 ナナを抱きしめ、薔も眠りに就いた。











 …―――Sweet dreams,baby.

















 会いたい、という想いや、

 そばにいたい、という想い、


 強き想いも、

 時に弱さとして、


 ふたりは愛し、分かち合おう。










 …―So that it's mad,

      『I love you.』

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