※※第71話:Make Love(in Kitchen!).22
二度目のキッチンにてを終えてからは、ふたりしてお風呂に入ったことは言うまでもない。
そしていつも通り、寄り添って眠りに就いたのですな。
次の日。
こんなこともあろうかと、薔がナナにも新しい制服を予め用意してあったので、ふたりは難なく学校へ行けたのでした。
ナナは真新しい制服に、びっくり仰天だったけどね。
―――――――――…
「おはよ〜う、」
朝から皆さんは、明るい挨拶を交わしたりしていたが、
「あたし昨日さぁ、すごい夢見ちゃってさぁ、」
「アタシもぉ、」
ヒソヒソと、その夢の内容を話し合っていた。
「それがさぁ、夢ん中でさぁ、薔さまと三咲さんがキスしてたんだよねぇ、」
「えええ!?アタシもだよ!」
「マジで!?」
「なんで夢の中くらい、あたしじゃなかったんだろ?しかもその後なんか、薔さま笑ってた気がする。」
…どうやら、あれほど残念なお知らせと豪語したにも関わらず、キスと微笑みの思い出だけ残っちゃったご様子です。
夢のお話だと思い込んでいる皆さんは、
「おい、そこで列を作んな。」
一部、正面玄関のとこで道を塞いじゃっておりまして、
「おおおおおはようございます!」
今度は横にではなく、縦に列を作ってかしこまったのです。
「ぉ…おはよう、ござぃ…ます…」
もんのすごく控えめに、ナナは返した。
皆さんはもはや、朝の挨拶が出来るだけで満足だったのだが、
ぎゅっ
(あれ…?)
そこを通り過ぎるとき、薔はナナの手をそっとつよく握って、
「おはよう、」
見下ろす感じだったが、ちょっと微笑んで返した。
「………………!!」
パタッ
その後皆さん、悶え死にを垣間見ちゃったんだけどね。
「おまえはもうそれ、隠しきれてねぇな、」
「こんなとこまで、どなたが付けたんですか!?」
「俺だろ。」
ナナと薔はもう、ふたりっきりの世界に入っちゃってたんだとさ。
「あはは、昨日は筋肉痛がすごかったから、学校休んじゃった。」
昨日すら出る幕がなかったベンジャミンは、この日も立派に、遅刻確定でした。
これにて一件落着!
最終日の一大イベントまで、
10月は平和かつエロチックに、過ぎることを願おう!
…――And they lived happily ever after!
[ 291/543 ][前へ] [次へ]
[ページを選ぶ]
[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]
戻る