※※第67話:Make Love!(+Fall).20








 エゴという名の手なら、
 振り払うから。

 愛で差し伸べてくれるなら、
 泥だらけでも構わない。










 やってまいりましたは、

 10月!

 一波乱だろうと二波乱だろうと、最終日までには悉く蹴散らしてやろうか!








 そして朝です!

 毎度おなじみになりました“お目覚めシーン”は、すっ飛ばされて既にお着替えタイムのご様子です!


 「……あれ?」
 ナナはこの日、とある異変に気づいた。

 (なんか、制服のスカートが、少しきつくなったような…)



 「う〜ん…」
 ちょい背伸びしたりして、無事にファスナーは上がった。

 「おおお…!よかった…!」
 ナナはホッと、胸を撫で下ろす。

 「今日からは、これも着るのかぁ…」
 などと呟きながら、鏡の前で彼女がブレザーをまじまじと眺めていると、


 「おい、」


 後ろから、堂々とした声を掛けられた。

 「なにやってんだ?おまえは、」






 「うぎゃあ!すみませ」
 慌てふためいたナナが、若干猫背で振り向くと…、



 はい、薔はもうブレザーを着ておりました。




 (んきゃあ―――――――――――っ!かっこいいーっ!!)

 たちまち真っ赤になる、ナナ。


 そんでもって、背筋を伸ばした彼女は薔へ駆け寄ると、

 「いいいい一枚、写真撮らせてくださいっ!」

 やはり、大声で願い出てみた。



 「それよりおまえ、早くしねぇと遅刻すんぞ?」
 「うはぁ!」

 まぁ、ナナさん、体育祭で何枚か撮れたんだし、早くしないと本当に遅刻しちゃうみたいだよ。




 「ちょっと待ってください…!わたしも着ますんで…!」
 あたふたするナナだが、手こずるに手こずっているため、

 「仕方ねぇな、貸してみろ。」

 薔は呆れているのかはたまた笑いを堪えているのか、とにもかくにも制服を受け取り、

 「ほら、」

 後ろからすっと、ナナの腕へとブレザーを通していったのでした。


 「あ、ありがとうございます…」
 真っ赤っかのナナはある意味、気が気ではなかった。
 なぜなら、先ほど制服のスカートがちょっときつかったからだ。


 しかし、ブレザーは難なく着ることができた。




 「あー、おまえはすげぇ可愛いな。着せちまった後だが、全部脱がしたくなってきたぞ?」
 「ぇぇぇええ!?」

 なんとまあ、10月は初っ端から絶好調のご様子です!

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