※※第63話:Make Love!(+Sixty-nine).17







 体育祭は9月の終わりに開催されますので、今回はとりあえず置いときまして、上旬に起きたとある出来事を描き出してみたいと思います!






 前回に引き続いちゃっての、

 月曜日です!




 「ゴホゴホ…」
 1年5組でもとうとう、風邪が流行りだした模様です。
 マスクをしている生徒がちらほら、欠席者もちらほら。
 しかもどうやらその事態は、学校全体に及んでいるみたいなんです。


 「ナナちゃぁん、おはよぉぉうぅ。」
 そんななかでもこけしちゃんは、朝からにっこり元気いっぱい。
 「おはよう!こけしちゃん!」
 テンション高く返したナナも、ヴァンパイアだから風邪を引かないみたいであるし。

 あまり心配することは、ないのかもしれないね(風邪引いてる全ての生徒らに、失礼だろ)。




 「ナナちゃぁん、あたしねぇ、新しい小説が書けちゃったよおぅ?」
 「こけしちゃんっ…!それはもしや…!」

 ご存知なふたりの、禁断のやつか?

 「くれぐれもぉ、こぉぉっそりぃ、読んでねぇ?」
 「おおおおお任せあれ…!」
 禁断なお話が描かれたそのノートは、こけしちゃんの手からナナの手へと、実にこそこそ手渡された。




 「あ、あの、薔くん…、」
 「なんだ?」
 そんでもって、互いに自身の席にて、もじもじする羚亜と堂々とした薔も、やりとりを始めたようである。

 「こないだ教えてくれたやつ、ちょっと試してみたんだけど…、」
 「で?」
 羚亜くん、なんだかんだで、試してみたんだ……

 「すごく、悦すぎたよ…、途中から意識がとんだよ…」
 「お前が飛んでどうすんだよ、」
 正直に明かした羚亜であるが、薔は呆れかえった。


 ギャラリーの皆さんは、またしても悶え死にを期待してるんだかなんなんだか、とにかく頬を赤らめている。



 「仕方ないじゃん、俺、ずっとネコだったんだから、」
 「俺の前で、それ言うな。」

 しかし、この会話をふたりが交わした辺りで、気づくとホームルームはもうすぐだった。


 ギャラリーの皆さんはしぶしぶ自身の教室へと戻ってゆき、こけしちゃんの禁断ノートを手にしたナナさんも喜び勇んで席に着いた。




 「おまえ、なんか嬉しそうだな、」
 「ぎゃあ!そんな風に見えますか!?」
 とか、薔とナナが交わしたところで、


 キーンコーン―――――…

 ガラ…


 優雅な雰囲気で教室に入ってきたのは、吉川ではなく醐留権でした。

[ 182/543 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る