第十八手:菊一文字














 ナナは薔に促され、脚を大きく開くと頬をさらに火照らせベッドへ座った。
 両手は後ろに突いて体勢を保ち、中を思い切りひくひくさせている。

 (は…っ、恥ずかしいっ…よぉ…っ、)
 俯き加減に腰をもじもじさせていると、かたほうの脚を掴んで強引に持ち上げられた。

 「っひゃっ…っ!?あ…っ、」
 持ち上げられた脚は彼の脚のうえへ乗せられて、ナナはビクンッと躰をふるわせた。
 もうかたほうの脚を掴み寄せた薔は、ベッドへ横になった体勢で入り口へと当てがう。

 「ちょうどいいな、そのまま視線は逸らさずに挿るとこちゃんと見てろ…」
 彼女が俯いていることを逆手に取り視線を言葉で捕らえてから、彼はいつもよりゆっくりと挿入していった。
 「んや…っあっ、恥ずかし…っ、れす…っ、あ…あああっっ、」
 ナナは自ら明かしてしまっている通り恥ずかしくて仕方ないのだが、ばっちり視線は捕らえられたままでいた。

 「恥ずかしいの好きなくせに……現におまえのここはすげえ感じてんぞ?」
 くすっと笑った薔は中で動かしながら片手でクリトリスも撫でて、意地悪を仕掛ける。


 ズプッ…グチュッ――…

 「あっああっ…あっ、あっあっんん…っ、」
 ナナは躰を悩ましげにふるわせ、きつくシーツを掴んだ。
 この体勢で繋がると、彼はよりクリトリスを弄りやすくなる、胸などの感じやすい部位も同様に。

 「ほら、こんなとこまで濡れて、蜜が糸引いてる…」
 ゆびを艶かしく這わせていった薔は下腹部をヌルヌルとゆびで撫でながら、いきなり奥深くに当たるように突き挿れてきた。

 「あああっ…っ!?あっ…ああ――――――…っっんっっ、」
 ナナは乳房を揺らめかせ、最奥まで彼を目一杯感じている。
 ちょっと見上げられているような体勢でも、完全に主導権を握っているのは彼だった、気持ちがよすぎて何がなんだかわからなくなる。
 すべてを委ねるしかなくなる。


 「刺激的な眺めだな、つうかおまえも腰振れよ…」
 掴んだ脚にキスをして、薔は初っぱなから激しく動き始めた。
 くちびるが這う脚にはキスで証が残され、ベッドがギシギシと凄艶に軋む。

 ズッ、ズッ…ズプッッ――…!

 「んんあっっ!」
 容赦ない快感が迫り来て、彼の言うことを聞いて腰を振ろうとしたナナは堪えきれずに達してしまった。

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