第十七手:撞木反り













 正常位でいっぱい突かれた後、ナナは薔に導かれるままにしてかなり恥ずかしい体位に挑んでいた。

 「ん…っあっ、んん…っ、」
 まずは懸命に、下から支えてもらいながら腰を落として咥え込んでゆく。
 しかも、彼と向き合った状態ではなく、彼の脚のほうを向いた状態での騎乗位となっていた。
 今しがたまで深く繋がっていたふたりの性器は、どちらも妖艶に濡れている。


 ズププッ――――…

 「んんああっ…っんっ、」
 ナナがひどく感じながらも何とか、挿入してしまうと、

 「支えててやるから、思い切り躰反らしてみろよ、ほら…」

 腕から背中へと艶かしくゆびを這わせて、薔は彼女を誘った。



 「んっあ…っ、んっン…ああっ、あっ…っ、」
 ナナは彼の両手で躰を支えてもらいながら、シーツに両手を突いて躰を反らしていった。
 「どうせなら目の前に、鏡でも置いとけば良かったな?」
 彼女が必死になって躰を反らしてゆく最中に、悪戯するみたいに中を擦って、近づいてくる耳もとへ吹き掛けるように薔は囁いた。

 「そうすればおまえにもちゃんと……俺に突かれてる様が見えてますます恥ずかしくなれただろ?」









 「あ…っあっ、あっあっやああ…っ、」
 ビクンッとふるえたナナは、もしも鏡でも置かれていたなら彼の言う通りになっただろうと、全身で昂ってしまった。
 恥ずかしくて仕方ない行為だけれど、彼にそうされるのはどうしても悦んでしまう、思い描くことでナナは興奮している。
 「へえ……やっぱそうされたかったのか、おまえってほんと素直でやらしいな……」
 中の収縮により感じ取った薔はふっと笑って、彼女ができる限り躰を反らしたところで動き始めた。

 「まあ、それはまたのお楽しみだな?」

 支えてくれている肌へ、ゆびがエロティックに食い込む。






 ズッ…ズッ、ズプッ――…

 「あっあっ…あっあ、あっ…ああっんっ、」
 一度中出しされたからか、音は猥りがましく響いてきた。
 白濁液が溢れだす様子が鏡に映し出されていたなら、堪らなく羞恥も高められただろう。
 その様を本能に浮かべることで、ナナはますます羞恥を高められてゆく。

 だからこそ意地悪な彼は敢えて、言葉で思い知らせたに違いない。
 突き上げられる度に、乳首が艶めきぷっくりと膨れた乳房が、ゆさゆさと揺れ動いて視覚からも官能を辱しめていった。

[ 34/41 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]


戻る