第十六手:しめ小股













 ベッドへ横になるナナは今現在、脚を閉じて伸ばしている状態で彼に見下ろされており、特に開くようにという指示を出されていないことに気持ちのいい戸惑いを覚えつつもじもじしていた。

 「あ…っ、脚…はっ、開かなくて…っ、いいんっ……ですか…っ?」
 これからまさに挿入してもらえるといった瞬間のため、期待も高まり甘ったるい声で尋ねてみる。
 「このままでいいっつったろ?」
 微笑んで、彼女のおでこへとキスをした薔は、閉じたままの脚のあいだへと捩じ込むように挿れてきた。

 「今日は力、抜くなよ?」









 グッッ――――…

 「んっ…あっ、擦れちゃっ…っ、あ…っ、」
 硬くて猛々しい彼のが、内股を擦る。
 「そうだな……擦れながら入り口に当たったな?」
 くすっと笑った薔は狭いあいだでも強引に膣口へと辿り着かせ、挿入していた。


 「あっ…あっん、」
 ぶるりとふるえたナナは、もっともっと深く、奥を突いてほしくて仕方ないのだけどこの体勢だとそうもいかない。
 「脚……もっとぎゅってできるか?」
 彼女のあたまを撫でて促した薔は、出し入れを始める。

 グチッ…グチュッ、グチュッ…

 「あっあ…っ、あ…あっんっあ…あっん、」
 ナナは促された通りに、脚をぎゅっと閉じてみた。
 脚も使って思い切り彼を締めつけ、淫靡な圧迫感を与えているわけなのだけど、前戯によりぐっしょりと溢れさせられた蜜がピストンの潤滑を良くしている。

 ナナがつまさきを立てるベッドはギシギシと、軋み続けている。


 「すげえ締めつけだが…スムーズにいってんな?」
 素早く捩じ込ませるように動きながら、薔は息を乱していた。

 「おまえがたくさん濡らしてたおかげだな……」
 挟むようにしてきつく狭められる彼も、かなりの我慢を強いられているのだろう。




 「あ…っっ!」
 躰を反らしたナナは、達してしまう。
 じつはこの体勢、奥を突かれてはいないのだけど、彼が動く度にヴァギナとクリトリスが同時に刺激されてその快感が止め処ないのだ。

 「中、キュウキュウしてんぞ?」
 グチュグチュと、膣の半ば辺りを回すように擦りながら、薔は彼女の乳房を揉みしだく。

 「……っは、っん、あ…っ、あ…っんっっ、」
 するとまた膨れ上がったクリトリスも同時に擦られ、ナナは息を上げ痙攣したかのようにゆびさきまでふるわせた。

[ 32/41 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]


戻る