第四手:後櫓
吹き抜けた風が、火照る躰に気持ちいい。
誰もいない学校の屋上は、夕陽の赤に染まりゆく。
「は…っ、ん…っ、」
屋上への入り口付近の壁に両手を突いて、ナナは臀部を恥ずかしそうに突き出していた。
彼女は思い切り臀部を突き出してはいるが、じゅうぶんなまでに脚を開いてはいないため、
「…浅く挿れて、いっぱい擦ってやるよ、」
笑って囁いた薔は、後ろから彼女の腰を抱いてその通り浅く挿入してきた。
ズプッッ――…
「あ…っ、」
ナナは思わず、甘く上擦った声を上げてしまった。
ここは学校の屋上だと言うのに。
グプッ…
「ん…っ、ふ…っ、」
声を上げてしまうとすぐに口の中へと、左手の人差し指と中指を滑り込まされ、
「声は我慢してろって…言ったよな?」
ズッ…グチュッ…
浅いところを擦るように突き上げられる。
Gスポットを執拗に、擦られてゆくのだ。
…ッ…ちゅっ…
「ん…っん、ん…っ、」
動きながら項へとくちづけられ、舌を這わされ、甘く全身はさらに高揚し、ふるえた。
「やらしいよな…おまえ、奥から必死に俺の吸い寄せてんぞ?」
耳もとそっと吹き掛けて、薔は彼女の口内でやさしくゆびを動かして、
「は…っ、……んんっっ…」
ガリッ…ッ…
ナナは壁に爪を立てた。
伝った唾液が、屋上の地面へと垂れる。
「ほらまた、キュウッてなった…」
彼は笑う。
あたたかくて、少し乱れた吐息が耳を撫で、ナナはますますふるえる。
ズッ…ズプッ…
「……っ、んう…っ、」
体勢を保つこともままならずに、彼女は躰を反らすと、
「んっっ!」
ビクッ…!ビクンッ――…!
達してしまった。
ガクンッ…
腰が砕ければ、すぐさまつよく引き寄せられ、
「こら、しっかり立ってねぇと抜けちまうだろ?」
「ん…っんっ、ん…っっ、」
容赦なく、中のざらつきを擦られていった。
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