囁きでくちづけを
『瞬きを惜しむよう
呼吸を惜しむよう
奪われてゆく視線
奪われてゆく心
意味を成さない自由より
意味を成す、不自由を。』
記念小説ということで、ご説明しよう。
この物語は、ちょっとヘタレな女の子ヴァンパイアと、極上の血液を生まれ持つドSな美形男子の、禁断エロティックラヴロマンスである。
……あ、若干間違えた(ベタ)、
禁断エロティックラヴコメディです!
ヅカヅカヅカヅカ
この日、とある高校に、他校の生徒というポジションの不審者がやってきた。
不審者は男の子で、わざとらしく胸を張って廊下を歩いてゆく。
本校の生徒はほとんど、相手にしておりません。
男は目指してきた教室を見つけ、
「ちょっ、なんなの!?こいつ!」
「かき分けるなよ!見えなくなるじゃん!」
集っていたギャラリーを無理矢理かき分け進んでゆくと、とある席の前に立ちけっこう大声で言いました。
「おいお前、おれと勝負しろ!」
ナナをはじめとする周りがたいそうイラッとするなか、とてつもなく険しい雰囲気で薔は言い放った。
「だれが目の前に立ってもいいと言った?」
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