囁きでくちづけを












 『瞬きを惜しむよう
  呼吸を惜しむよう

  奪われてゆく視線
  奪われてゆく心


  意味を成さない自由より
  意味を成す、不自由を。』
















 記念小説ということで、ご説明しよう。

 この物語は、ちょっとヘタレな女の子ヴァンパイアと、極上の血液を生まれ持つドSな美形男子の、禁断エロティックラヴロマンスである。

 ……あ、若干間違えた(ベタ)、

 禁断エロティックラヴコメディです!















 ヅカヅカヅカヅカ

 この日、とある高校に、他校の生徒というポジションの不審者がやってきた。


 不審者は男の子で、わざとらしく胸を張って廊下を歩いてゆく。
 本校の生徒はほとんど、相手にしておりません。



 男は目指してきた教室を見つけ、

 「ちょっ、なんなの!?こいつ!」
 「かき分けるなよ!見えなくなるじゃん!」

 集っていたギャラリーを無理矢理かき分け進んでゆくと、とある席の前に立ちけっこう大声で言いました。

 「おいお前、おれと勝負しろ!」












 ナナをはじめとする周りがたいそうイラッとするなか、とてつもなく険しい雰囲気で薔は言い放った。

 「だれが目の前に立ってもいいと言った?」

[ 73/222 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]



戻る