囁きでくちづけを








 抜いた後です。
 これからシャワーの様子ですが、

 「それにしても、」

 思い出して腹が立ったナナは、思わず言っちゃいました。

 「あの気持ち悪い奴は失礼ですよね!薔はどえすとやらじゃないですよ!だって、こんなに優しいんですもん!」

 と。




 ……嗚呼、ナナのとんでも勘違いよ。






 「だろ?」
 薔は不敵に笑って返すと、

 「それよりおまえな、」
 「はい?」

 ドサッ――――…

 再び彼女を押し倒しちゃった。

 「俺のことだけ考えてねぇとダメじゃねぇか、」
 「どひゃあ!わたしはいつでも、薔のことだけ考えておりますけど――――――――っ!」

 おーっ、ぉーっ…(※ばか正直なエコー)









 “豆くんはほんとうに甘えん坊さんね、”
 “だって花子ちゃんと遊んでると楽しいんだもん♪”
 わんこたちもたいへん、盛り上がっております!

















 ――――――――…

 次の日です!

 「しょ、薔さま…!」

 相変わらず懲りげもなく、純一郎はまたやって来ました。

 「おれを、苛めてください…!」







 とてつもなく険しい雰囲気で、薔は返した。

 「どこのどいつだ?」










 「ああ!その感じです、はやくわたくしめを触って嬲ってください!」
 「そんな無駄な時間は俺には無えが、てめえがちゃんと授業に出んなら考えてやってもいいぞ?」
 「ありがたき幸せ!」

 と言いますことで、一限目は無理かもだけど二限目に間に合うべく、純一郎は即行で帰ってゆきました。











 「昨日と今日で、あの変わりよう…」
 「あいつ昨日も来てたのか?」
 「ほんとに覚えてなかったんだ!」
 「羚亜くんたらかわい〜!」
 羚亜には、いろんなびっくり仰天が。


 「いくらかマシぃになったかなぁぁ?」
 「こけしちゃん!またどうじんしとやらをいっぱい貸してくれるんだね!」
 ナナは、同人誌に興奮気味のようです。






 (さすが…、自称ドSはドSさまの手により、ドMに目覚めた模様ですね…)
 周りの皆さんは、うっとりと感心ひとしきり。











 「羚亜は何をあんなに驚いているんだい?」
 「おい、どさくさに紛れて触んな。」
 「ちょっとくらいいいだろう!」
 「ぜってーに嫌だ。」
 醐留権はうまい具合に、どさくさに紛れることはできませんでした。
 そもそもそれ、許されるのはナナだけだから!





 「あぁぁぁ、さすがはベストカップルぅぅぅ…」
 「こけしちゃん!?」











 ……和気藹々を色濃く描いたところで、

 めでたしめでたし!















  …――――Thanks always!

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