絡めた指ーfallenー


 絡めた指を、遊ばせて――――――…



 とろけそうなほど、甘い夜。
 ベッドのうえで向き合うあたしたちは、深いキスを交わす。
 それは一糸纏わぬ、艶めかしい素肌。
「ん……………」
 絡み合うささやかな指が、引き連れてくるのはエクスタシー。
「愛……………」
 耳元で、奏が囁いた。
「ん、何…………?」
 濡れた唇で問いかける。
「愛、愛してる…………」
 吐息が耳たぶに触れて、あたしはピクリとした。
「あたしも…………」
 うっとりと応えるけれど、息が零れて仕方ない。
「んぅ………ふ…………」
 再びキスを交わすと、熱い舌が絡みついてきた。
「奏…………ぁ…ん………」
 片方の指を解き、奏はあたしの乳房を揉み始める。唇から滑り落ちた舌先は、あたしの首筋を捕らえる。
「奏……………あっ、――――あぁ…………」
 思わず指を離したあたしの手を、自らの背中に回す。
「抱いて……………」
 奏が呪文のように唱えるので、あたしは強く抱きしめた。
 ギュ―――――…
 ぴたりと張り付いたカラダが、互いの熱を求め合うから。
「んンッ…………」
 少しカラダをずらすと、滑らかな乳房と勃起した奏のペニスが触れ合った。
「擦って……………」
 はぁはぁと息を荒げ、奏がせがむ。
「んっ…………んっ…―――……あぁ!」
 ズリズリとカラダを上下に動かすと、互いの感じやすい部分が擦れ合った。
「奏っ…………そんなに、っあ………!」
 あたしは乳首がたまらないほど、感じてる。
「イイよ…………愛……………もっと、動いて……………」
 奏の嬉しそうなカオが、すごくエロティックで―――――…
「奏…………ダ…メ…………っ、んっ―――…んんっ!」
 乳房が潰れそうなほど、強く押し付けてゆく。
「ぁ…………い…た…ぃ…………」
 そのままベッドに倒れ込むと、奏はあたしの下に。
「愛……………」
 いやらしい瞳で見つめられたので、あたしは奏の乳首を撫でる。
「あっ………………」
 掠れた声を漏らして、奏はあたしの腕を掴んできた。
「奏……………あたし…………」
 あたしはゆっくりとカラダをずらすと、奏のペニスにしゃぶりついた。
「ぁあ…………っ!」
 色っぽい声が上がる。
 あたしは奥まで咥えると、ズルズルと吸い上げた。
「愛っ………!っああ……………!」
カラダを反らせる奏が、最高にいじらしい。
 あたしは舌を卑猥に使い、奏を満たしてゆく。
「離し………て…………出るっ……………!」
 ぬちゅぬちゅと音を立てていると、奏がぶるりと震えた。
「愛…………あぁ………愛っ……………」
 手探りのように、あたしを呼ぶ奏が愛おしい。
 さらに激しく吸い上げると、奏はソコを突き上げた。
「あっ………あああ……………っ!」
 あたしの口いっぱいに、熱いモノが広がる。飲み込めるだけ、あたしは喉を通した。
「はっ…………あ…………」
 荒く呼吸をする奏があたしを見つめてくるので、先ほどまでの行為といい、あたしは濡れてしまった。
「愛………………」
 ゆっくりとその湿った秘部に、奏の手が触れる。
 クチュ―――――…
「ぁん………………っ」
 あたしは声を上げた。
 指が何本か挿入され、あたしは淫らに喘ぐ。
「あっ…、ん……――――っ!奏っ………ゃあっ、んっ………んんっ……………!」
 目を開けたまま見る夢は、それは下品なほど美しく―――――…


 その後、奏のなかであたしは果てた。
 と言うより、あたしのなかに奏が出したのだ。
 肌が触れ合い。絡み合う指が、唇が、全てが快感と共にある。
「っも…………ダメっ……………!」
 塞がれてゆく夜に、孤独は何の意味を成すのか?
 わからないほど溺れてゆく。
 それはそれは深海のように深い、堕落した愛と美しさの狭間で。




  fallen……………

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