書架に隠れて戯れる







 ズルンッッ――――…

 勢いよくぺニスが抜かれる。
 重ねていた手から離れた手がスカートをぐいと捲り上げる。


 ビュッ…!ビュクッ…!

 臀部や背中へと、たっぷり吐精をされた。
 飛び散る熱い精液はどろりとして、私を最高に魅了する。

「ん……っん……」
 射精をしたあとのぺニスを使って、ヌルヌルと精液を肌に塗りたくられる。
 レイプされたのだと自覚できていても、私はぺニスの愛撫を喜んで受け入れた。

 臀部全体に広がるほど卑猥な体液を塗りたくると、呆気なく体温はすっと離れていった。
 私はしばらく放心状態で、恥ずかしい場所を曝け出したまま書架にもたれていた。

 衣服を乱し精液に塗れた姿を、誰にも見られなかったのは幸いだった。












 (あ……)
 衣服を何とか整えた私が閲覧席のほうへ向かうと、憧れの彼は帰り支度をしているところだった。
 私を犯したのは彼ではない、彼は平然とした美しい顔で私のことなど気にも掛けていない。
 だとすればあれは誰にされたのか、もう帰ってしまった誰かだったのか、落ち着かない心を抱えて私は俯いていた。

 着衣の下はぐちょぐちょになっている、懸命に隠しながらわざわざ彼の近くにまで来て、私はいったい何をしたかったのだろう。




 カウンターに目を向けているとばかり思っていた彼は私の横を通り過ぎる際、一冊の本を差し出しふっと囁いた。

「忘れてるよ?」

 それは、痴漢に遭う寸前まで読んでいた、あの官能小説だった。
 私は借りることをすっかり忘れていた、けれど――私を犯した彼はきちんとその本を憶えていた。


 本を手渡され、慌てて振り向いた私へと、彼は意味深に微笑みかける。
 ちゃんと気づいていたのだろう、恋心にも、私の性癖にも。
 だから私を弄んだ。




 体内がくすぐったくなった私は、明日もこの図書館で、彼の姿を探してしまうだろう。
 そして背後から物音も立てず襲われる瞬間を待ちわびてしまうだろう。

 借りた本は、一晩で読み終えてしまわなければ。


 本を抱えていると角が、硬いままの乳首に当たって、私はじんと躰の奥を疼かせた。




 …――またここで、隠れて犯してください、いくらでも、あなたの好きなだけ。
 また、図書館でお会いしましょう。

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